福井県立大と福井シードが開発したミニトマト(手前の皿左から)県大2号、3号、4号。奥の皿のミディトマトより一回り小さい=11日、福井県あわら市の県立大生物資源開発研究センター

 福井県立大と種苗販売の福井シード(本社福井市開発5丁目、井村裕治社長)が共同開発しているミニトマトの試食会が11日、福井県あわら市の同大生物資源開発研究センターで開かれた。当初の約1千種類から、甘さや香りなどが異なる3品種まで選抜。早ければ2017年春に品種登録を出願し、「あわらの地域ブランド野菜」として全国出荷を目指す。

 県立大の前身の県立短大農学科は1989年、福井県特産のミディトマト「越のルビー」を開発している。全国的にも評価の高い越のルビーに続いて今度はミニトマトの新品種を作ろうと、県立大生物資源学部の木元久教授と福井シードが2012年春から研究や選抜試験を進めてきた。

 県立大と福井シードは8年以上、農業に関する共同研究に取り組んでいる。昨年はカニ殻由来のキチン、キトサンオリゴ糖を利用した植物活力剤「植物剛健」を商品化。今回のミニトマト開発では、この活力剤を使った有機栽培(カニ殻農法)で付加価値を高め、品種選抜は「食味」に主眼を置き、あわら市観光協会の職員や芦原温泉のおかみらの協力も得て進めてきた。

 試食会は報道関係者向けに開催。3品種は県大2号、同3号、同4号と名付けられた。2号と3号は丸形、4号は細長いロケット形で、どれも食べやすく、えぐみや口の中に皮が残るといったマイナス点がない。

 木元教授によれば、2号は「香りがよく、甘みと酸味のバランスがとれている」、3号は「甘みが強く、いい意味で独特のクセがある」、4号は「果肉部分が多く、糖度の割には甘さを強く感じず、加熱調理にも適する」と“三者三様”の特長がある。

 この日、生物資源開発研究センターのハウスから収穫したばかりの3品種の糖度を測ると、2号7・8度、3号8・7度、4号9・1度だった。糖度は季節などでばらつきがあり、2、3号は夏には10度を超えるものもあった。

 今後、3品種の試験栽培を来春に再度行い、さまざまな栽培データを集めた後、品種登録出願する予定。木元教授は「3品種とも品種登録する方向。今のところ、栽培は組織培養で行っているが、市場の反応を見ながら種子化も検討していく」と話している。

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