無罪判決後の会見で「身の潔白が証明された」と話す松田正人元理事長(中央)=9日、福井市内

 2013年12月30日に予備校内の接骨院室で女子生徒にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつの罪に問われた福井市二の宮2丁目、元予備校理事長の無職松田正人被告(50)の判決公判が9日、福井地裁であり、及川勝広裁判官は「起訴内容を証明するに足りる証拠がない」として無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。

 同地裁によると、同地裁と同地裁武生支部、敦賀支部で行われた刑事裁判で無罪判決が言い渡されたのは2004年以来。

 松田元理事長は判決後の会見で「他の生徒や保護者に応援してもらい、きょうまで頑張れた。身の潔白が証明できた」と声を震わせた。

 事件の目撃者はなく、公判では被害者の証言の信用性が争われた。弁護側は、予備校に通っていた男子生徒が「12月30日に一日中、接骨院室で勉強していた」と証言したことを根拠に「被告が30日に女子生徒と接骨院室に入った事実はない」と主張していた。

 判決で及川裁判官は、女子生徒が公判で「30日には職員室で勉強し、午後4時ごろに接骨院室に行った」と述べたのに対し、「わいせつ行為に関する供述は具体的で全て虚偽とは考えられない」としながら、「受講者表などと照らすと記憶している日時にあいまいさがある」と指摘した。

 男子生徒が「30日は接骨院室で勉強後、室内に泊まって翌日に帰宅した」と公判で述べたことについては、「30日に大掃除があったことなどを覚えており信用性を否定できない」とし、検察側の「男子生徒の記憶違いで、30日夕には帰宅した」との主張を退けた。その上で「女子生徒の供述の信用性に疑問がある」と結論付けた。

 松田元理事長は昨年12月4日に逮捕され、一貫して無罪を主張。証拠隠滅の恐れがないとして最高裁が4月15日付で保釈を認めていた。

 福井地検は「判決内容を精査し適切に対応したい」、福井県警捜査1課は「答える立場にない」とコメントを出した。

関連記事
あわせて読みたい