記者会見で訴訟を表明する原告団=8日、福井市の県教育センター

 高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、嶺南地方の住民らが8日、福井市の県教育センターで記者会見し、国を相手に、もんじゅに対する原子炉設置許可処分を取り消すよう、原子力規制委員会に義務づけることを求めた行政訴訟を東京地裁に提起すると発表した。提訴の時期は25日になるとみられる。

 住民らは、原子力規制委員会が11月、文部科学相に対し新たな運営主体を見つけるよう勧告したことについて、一定程度評価。一方、「代わりの受け皿をつくり、実質的な運営は従前のままだったり、適当に対策を講じただけで抜本的に見直したと喧伝(けんでん)する可能性がある」と警戒した。

 「ずるや強弁は許さないという姿勢を社会に向けて発信し、勧告の趣旨を翻さないよう規制委を厳しく監視し、速やかな廃炉へ移行するよう導くことが必要」として「そのためには提訴が有効かつ必要な手段と考えた」とした。

 訴状案では、原子炉設置許可処分を無効とした2003年の名古屋高裁金沢支部の判断や、同規制委の勧告について挙げ、同機構にもんじゅを運転する技術的能力が欠けているほか、ナトリウム漏れ事故以来、安全確保上の課題について改善の可能性がないと主張。「規制委には設置許可処分を取り消す義務があり、取り消さないのは裁量権を逸脱、乱用したもの」としている。

 原告団の人数は検討中だが、福井県内のほか関西の府県民が加わる可能性があるという。

 もんじゅをめぐっては、住民が1985年、国の設置許可無効を求めて福井地裁に提訴。03年に名古屋高裁金沢支部で住民側の主張が認められたが、05年、最高裁で住民側が逆転敗訴となった。

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