県が県立病院に整備する陽子線がん治療施設を県内主要病院が連携して活用するための方策を検討する「陽子線がん治療ネットワーク推進会議」が九日、福井市の県民会館で開かれた。治療施設に患者を紹介する際にカルテ情報を伝達する情報システムの構築などを確認した。

 会議は県立病院、県済生会病院、福井赤十字病院、福井大医学部付属病院、市立敦賀病院、公立小浜病院の各病院長ら計八人で構成。

 若狭湾エネルギー研究センターの山本和高・粒子線医療研究室長が、兵庫県粒子線医療センターの治療患者は半数以上が普段診察を受けている主治医の紹介であることなど、全国の陽子線がん治療施設の現状を報告。座長の梅田幸重健康福祉部長は「入院が必要な場合はそれぞれの病院を使い、医師の紹介により陽子線治療施設を活用する形で運営したい」と説明した。

 意見交換では「電子カルテをやりとりする仕組みを構築しないと医師同士の話し合いができない」「保険が適用されない高額な治療のため、利用度をどう高めるか」との慎重な声もあったが、各病院が施設活用に向け連携していくことでおおむね一致した。

 今後はワーキングチームをつくり▽治療後の病院での経過観察法の在り方▽診断画像を送受信できる情報システム▽がん治療に関する共同研究—などの課題の対応策を検討。随時、推進会議で協議し治療開始までに連携体制を構築するという。

 治療施設のハード整備については、去る十一月に治療や建築の専門家、県職員による設計業者選定委員会を設置。年間四百人の治療ができるよう治療室を三室設け、高精度照射システムやCTによる患部位置決めシステムを導入するなどの施設や装置の仕様を検討している。年度内に設計業者を決め、基本設計に着手する予定。二○○九年度の治療開始を目指している。

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