昨年八月に二次系配管が破断し十一人が死傷する事故を起こし運転を停止している関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)について、経済産業省原子力安全・保安院は五日、交換した配管の立ち入り検査を再度実施。国の技術基準に適合していることを確認し、昨年九月に関電に対して出していた運転停止命令を解除した。

 技術的には運転再開への条件をクリアしたことになるが、再開には安全協定に基づき県や美浜町の了承が必要になる。県は、関電の再発防止策の実行状況やそれに対する国の確認を見極める考えで、具体的な再開時期は不透明となっている。

 保安院は十一月十、十一の両日、関電が交換した配管の安全性を確認するため、立ち入り検査を実施。肉厚測定した四百四十八カ所のうち十七カ所で測定誤差を超える差があり、関電に再評価するよう指示した。関電は測定位置に微妙なずれがあったことが原因とする報告書を一日国などに提出した。

 万全を期すため、保安院は五日午後、再度立ち入り検査を実施した。保安院の前田秀統括管理官や原子力安全基盤機構の検査員ら計五人が、十七カ所の肉厚を超音波機器で測定。誤差は最大○・四ミリあったが、測定誤差範囲内にとどまり、技術基準に適合していると確認された。

 同日夕、美浜原子力保安検査官事務所に関電原子力事業本部長の森本浩志副社長を呼び「技術基準に適合していることを確認した」とする森詳介社長あての通知書を手渡した。森本本部長は「大きなハードルを一つ越えた」としながらも、運転再開時期については明言を避けた。

 前田統括管理官は会見で「品質記録の管理徹底など三項目で改善が必要と認められ指摘した」とし、今後も「特別な保安検査で再発防止策を確認していく」と述べた。

 3号機の事故をめぐり国は昨年九月二十七日、関電に対して電気事業法に基づき「技術基準適合命令」を適用。破断個所と周辺設備が国の定めた技術基準に適合していると確認されるまで運転を再開しないよう求める停止命令を出した。

 関電は今年九月に事故配管の取り替え工事に着手し、破断個所を含む主復水管二系統の総延長九十六メートルの配管を炭素鋼から耐食性に優れたステンレス製に交換した。また、再発防止へ向けた行動計画を示し、実施に移しているほか、再発防止策の実施状況をチェックする原子力保全改革委員会を設けた。七月には原子力事業本部を美浜町に移転、福井市に地域共生本部を置いた。

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