公開討論会に臨んだ東村新一氏(左)と笹木竜三氏=30日夜、福井市のアオッサ

 福井市長選(12月6日告示、13日投開票)の立候補予定者2人を招いた公開討論会が30日夜、同市のアオッサで開かれた。3選を目指す現職の東村新一市長(62)と元衆院議員の笹木竜三氏(59)が人口減少対策やまちづくりなどについて、約230人の市民を前に熱く訴えた。討論会は立候補予定者の考えや政策、生の声を市民に伝えようと福井青年会議所が企画。福井街角放送の鳴尾健社長がコーディネーターを務めた。

 福井新聞本紙に未掲載分を含めた両氏の訴えは以下の通り。

 ■人口減少対策

 【笹木氏】一番は、産業を元気にすること。介護・医療を含めた健康産業、農業・食を含めた環境産業、そして観光。新しい成長分野をしっかり決め、市が全面的にバックアップする。市役所全セクションに産業振興チーム、魅力発信チームを設置する。

 ロコモは55歳から、認知症は65歳から市が責任を持ってチェックと予防対策を行う。ピンピン長寿で、年をとっても果たす役割がある地域としてシニア世代を増やす。

 【東村氏】若い男女が結婚や出産に希望が持てるよう、また2人目3人目の子どもを安心して産むことができるよう子育て支援の充実を引き続き図る。若年層のUターン施策など市への人の流れをつくり、働く場をつくることを同時に進めていくことが重要。

 自然動態は福井はプラスで維持する。社会動態は人の流れをつくり、戻ってきてもらう働く場をつくる。人口構成を若返らせることが、これから先の福井の在り方を決める。

 ■中心市街地政策

 【東村氏】来年4月にオープンするハピリンの運営や情報発信を民間と行い、にぎわいを創出したい。歴史と風格のあるまちづくりも推進。中央公園などを福井国体までに整備し、市グリフィス記念館から足羽山、足羽川周辺にも整備を広げていく。

 ハピリンには当初なかったドームシアターをつけた。県立恐竜博物館を訪ねる親子連れは非常に多い。この2つを回ってもらうことで福井での滞在時間が長くなる。

 【笹木氏】コンパクトシティーをはっきりと打ち出す。福井は郊外に分散しており、さらにショッピングセンターは県外資本が多い。地元のお金が域内で循環する流れをつくる。また社長輩出日本一の活気を感じる「創業支援センター」をまちなかに設ける。

 中心市街地でお金が回る仕組みにし、支援センターで新しい産業、事業所を増やす。まちなか居住人口を増やすため、税の優遇や助成を行う。

 ■福井国体について

 【笹木氏】国体に合わせてスポーツ指導者を県外から招く。東京五輪が控えており、各競技で海外チームのキャンプを誘致する。国体で使うウエア、シューズなどグッズを地元事業者で開発する。間に合えば、スポーツ機運を高めるために「フルマラソン福井」を実現したい。

 【東村氏】市民のスポーツ活動の普及促進と、地域資源を全国にアピールする絶好の機会。2年後の東京五輪のモデルになる全国に誇れる大会にしたい。トップ選手を招いた事業で中学生の競技力向上を行っている。宿泊施設の確保も進める。おもてなしで再び訪れてもらえるようにする。

 ■北陸新幹線とまちづくり

 【東村氏】交通結節点と観光地を結ぶバスルートの整備、公共交通機関のダイヤ調整など交通の利便性を図る。歴史遺構を生かした中央公園の整備、観光資源の磨き上げ、市民を含めたおもてなしの醸成を進め、福井に来て良かったと思えるまちにしたい。

 【笹木氏】市街地を中期的にどうするのか、市役所など行政機能の再配置をどうするのか、スケジュールや全体像を示さなければいけない。観光客倍増のために必要なのは、民間業者と一緒にルートを企画し、消費を促す仕組みをつくることに尽きる。

 ■歴史・文化とまちづくり

 【笹木氏】福井の幕末維新の歴史が歩いて感じられる拠点が必要。中央公園からお堀を歴史が感じられるゾーンにする。まちなかに史学科や観光学など県外の大学と連携した学びの拠点がつくれればいい。福井の歴史を全国に宣伝していくことも必要。

 【東村氏】一乗谷朝倉氏遺跡を日本一の戦国フィールドミュージアムとしたい。養浩館など歴史文化を感じる場所の保全にも努める。伝統行事の担い手育成支援も行い、歴史的遺産や伝統芸能を見て、聞いて、触れる機会を増やす。観光につなげることも重要。

 ■教育

 【東村氏】福井の子どもは真面目で、家庭や地域の教育への意識が高い。教員の熱意もあり、全国トップクラスの学力・体力を維持している。これらを維持するとともに、思考や表現力を育む教育、ALTを活用した国際理解力を高める教育も進める。

 【笹木氏】偏差値が高いだけの教育は過去のもの。もちろん、知識を覚えることは基礎だが、新しいものをつくる、新しいことに挑戦する力を養っていくことが大切。高い教育力を福井を良くする力として反映させる仕組みづくりも必要だ。

 ■キャリア教育

 【笹木氏】民間でキャリア教育に取り組んでいるが、限りがある。学校のカリキュラムにきちんと位置付けていかねばならない。就職活動時にも県内出身者であろうが、在住者であろうが、しっかりとキャリア教育を徹底していく必要がある。

 【東村氏】自分の適性を見極める体験や学習すべてがキャリア教育。小中学校では年間指導計画の中でキャリア教育を進めているほか、福井青年会議所、福井商工会議所青年部などの協力も得て取り組んでいる。学校、家庭、地域などの連携づくりも進めたい。

 ■福井市長になりたいわけは

 【笹木氏】福井は先人のおかげで暮らしやすいまちになった。しかし変化の中で、暮らしやすさを未来に向けたものにつくり変える必要がある。教育の新しい形、産業の新しい起こし方、まちづくりなどを福井が日本の手本になるようなモデルづくりをしたい。

 【東村氏】福井は平均的に素晴らしく、その結果、幸福度も高まった。しかしこれからの日本では、つんつんととんがった、一番になるようなものを持たなければならない時期にきている。それをつくるために市長の仕事を続けたい。

関連記事
あわせて読みたい