福井県が本年度上半期に入札結果を確認した建築工事のうち、1回で落札者が決まらない「不調」と「不落」の割合が30%に上っていたことが、県公共工事入札監視委員会で明らかになった。前年同期の9%から大幅に上昇。民間の建築需要が堅調な一方、価格面で不利な公共工事が敬遠されている実態が浮き彫りとなっている。

 県の資料によると、建築工事件数は50件で、うち応札者がなかった「不調」は11件、応札者はいたが条件面で折り合わなかった「不落」が4件あった。前年同期は工事43件中、不落4件のみだった。土木工事などを含めた全体では、本年度上半期の不調、不落率は6%で、前年同期比約2ポイント増。建築工事の不調、不落が突出する結果となった。

 月別の不調、不落件数でみると、8月が10件中5件、9月は9件中8件と目立ち、敦賀市白木のモニタリングポスト建て替えや、県営住宅の耐震補強、桝谷ダム(南越前町)の小水力発電設置などがあった。水野家住宅(越前町)の復元、福井城山里口御門(やまざとぐちごもん)といった県の目玉事業でも契約できない事態に陥った。

 県は業者への聞き取りの結果、「価格が割に合わない」「鉄工所が手いっぱいで、資材調達が不可能」との理由があったと説明。夏場に民間の工事が集中したことも影響したという。条件を変更して再入札し、現状ではおおむね落札に至っているとした。

 また落札率は、本年度上半期の公共工事全体の平均92・9%に対し、建築工事は96・5%。業者の努力による値下げの余地が他の工事と比べて少ないことも見て取れる。

 福井県建設業協会の松田七男会長は「五輪需要などで建築資材が東京に集中し、資材価格が上がって地方の公共工事では割が合わないということだ」と現状を語った。その上で「民間の実勢価格に公共工事の単価を合わせるという目先の対応では、事態は解決しない。抜本的な見直しが必要ではないか」と話している。

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