「日本経済の展望と地方創生」と題して講演する岩本沙弓氏=26日、福井新聞社・風の森ホール

 福井新聞政経懇話会の第413回11月例会は26日、福井新聞社・風の森ホール(福井市)で開かれ、大阪経済大経営学部客員教授の岩本沙弓氏(国際金融経済学)が「日本経済の展望と地方創生」と題して講演した。岩本氏は「日本経済の最大のリスクは2017年4月の消費税増税。景気判断を無視して踏み切ると、国内経済はさらに疲弊する」と指摘。地方創生に関しては「福井県の地場産業には底力がある」とした上で「地元で見過ごしがちな地域特性を生かし、お金と雇用を生み出す仕組みづくりが大切」などと訴えた。

 講演要旨は次の通り。

 一、日経平均株価は堅調だが、国内経済は疲弊しており実体経済と乖離している。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式投資比率を上げているのが株価維持の背景にあり、株価が暴落すれば年金資産が毀損される恐れがある。

 一、日本のGDP(国内総生産)の7〜8割は民間消費と設備投資が占め、世界的にみれば内需依存型経済だ。消費税の再増税は内需型企業を中心に大きな打撃を与える。

 一、これまで消費税を導入しても税収増に結び付いておらず、財政再建には役に立たない。歳出内容はもちろん、内需型企業の負担が大きい法人税をはじめとして全体的に、税制を見直すべきだ。

 一、地域内取引の中心であり、域外取引とをつなぐ「コネクターハブ企業」が地域創生の鍵を握る。福井県をはじめ、北陸には国際的に高いシェアを占める中小企業が多く、潜在能力がある。ただ補助金に依存しない持続的なビジネスを、常に目指す必要がある。

 一、新幹線の経済波及効果は北陸全体で252億円とみられているが、域内GDPの0・2%にすぎない。交通インフラを利用しながらも新幹線の有無にかかわらず、顧客を引きつける取り組みが大切だ。

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