福井と東京の家計収支比較

 人口減対策としてU・Iターンを進めている福井県は25日、大学卒業後に働き、家庭を築いた場合の福井と東京の家計を比較する「ふくい暮らしライフデザイン設計書」をつくった。結婚し2人の子を持つ世帯を比べると、60歳までの収支差(黒字額)は福井県が東京より約3千万円多いと試算した。共働きで収入が安定している上に、住宅や教育費が安いのが主な要因。福井県は今後、リーフレットを県外大学での就職セミナーなどで配り、住みやすい福井をPRしていく。西川一誠福井県知事が同日の定例記者会見で発表した。

 家計収支は、経済産業省の計算ソフト「生活コストの『見える化』システム」を利用し、民間の価値総合研究所(東京)が試算した。福井県によると、長期的な家計の比較は全国初という。

 福井県の場合は▽男性が30歳、女性は28歳で結婚▽60歳まで夫婦がフルタイムで働く▽2人の子どもは公立の小中高校を経て大学に進学—と想定した。東京のケースは▽男性が32歳、女性が30歳で結婚▽2人の子どもは公立小学校、私立中高校を経て大学に進学▽妻は第2子が1歳の時にパートタイムとして仕事復帰—とした。車の保有台数や住宅価格なども考慮した。

 試算によると、23〜60歳までの家庭の収入は、福井県が3億4530万円、東京は3億5150万円で、福井県が620万円少なかった。一方、支出は福井県の2億9890万円に対し、東京は3億3500万円で福井県が3610万円少なかった。支出の差は住宅や教育費が主な要因。そのうち住宅は、福井県は延べ床面積170平方メートルで5300万円(ローン金利含む)、東京は延べ床面積100平方メートルで7800万円(同)と差が開いた。中学、高校の平均教育費は福井県が250万円(公立)、東京は680万円(私立)。

 結果的に、家計の収支差(黒字額)は福井県が4640万円、東京は1650万円となり、福井県が2990万円多かった。

 西川知事は同日の定例記者会見で「東京の賃金は福井より高いが、収支差としては大きな開きがあることが分かった。学生や保護者には、福井での生活を考えるきっかけにしてほしい」と述べた。

 福井県は12月、就職支援協定を結んでいる立命館大(京都府)や京都女子大で開く福井県出身学生を対象とした就職セミナーで、同設計書のリーフレットを配布。東京、大阪、京都、名古屋市で開催する企業研究セミナーでも活用し、福井の暮らしやすさを学生にPRし、Uターンにつなげる。

 福井県の約2千社対象の調査によると、県外の大学などを卒業した人の15年のUターン就職率は26・2%。

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