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 モキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)というジャンルの草分けと言われる伝説的な音楽映画だ。今回が、日本初公開となる。世界的なロックバンド「スパイナル・タップ」の全米ツアーに完全密着したドキュメンタリー映画なのだが、スパイナル・タップなんてバンドは実在しない。1984年に、ドキュメンタリーというジャンルそのものだけでなく、ハードロックやヘビメタといったロック音楽シーンまでもパロディーにしたコメディー映画が作られていること自体が、相当に斬新である。

 監督は、のちに『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』などで絶対的な評価を得ることになるロブ・ライナー(監督デビュー作の本作は、公開時にはカルト的な評価に過ぎなかった)。主演の一人であるクリストファー・ゲストも、のちに『ドッグ・ショウ!』『みんなのうた』を監督し、このジャンルの第一人者となっている。

 だが、本作が現在これほど高く評価されているのは、パイオニアだからだけではない。もちろん、モキュメンタリーというジャンルの持つ本質を射抜いたメタ性や風刺性に富んでいるのは間違いないのだが、それ以前に、コメディーとして今見ても抜群に面白いのだ。ロック好き、映画好き、そして映画を見て笑いたい人にとっても必見である。★★★★★(外山真也)

監督・脚本・出演:ロブ・ライナー

脚本・出演:クリストファー・ゲスト、マイケル・マッキーン、ハリー・シェアラー

6月16日(土)から全国順次公開

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