現役を退いた200形202号(左)の横を通過する200形203号=福井県越前市の北府駅構内

 福井県越前市と福井市を結ぶ福井鉄道福武線で、半世紀以上にわたり市民の足を支えた古参車両「200形」が1編成(2両)のみとなった。運行を続けていた2編成のうちの1編成が10月に故障し、同社が引退の前倒しを決めた。県内の鉄道ファンからは、車両の保存を求める声も上がっている。

 200形は、1960(昭和35)年に製造された201、202号と、62(昭和37)年に造られた203号の3編成。新型低床車両「フクラム」の導入などに伴い、2年前に201号が引退した。

 残り2編成のうち、導入から55年となる202号は、4年に1度の重要部検査の期限が切れる今年12月末まで運行させる計画だった。しかし10月13日、福井市の赤十字前駅でドア部分が故障。社内協議の結果、修理は行わず、引退を約2カ月前倒しすることを決めた。車両は来春以降に解体する方針。

 ただ、鉄道友の会福井支部によると、全国の地方私鉄で昭和30年代に製造された電車の多くは廃車となっており、現役で走っているものは200形を除きほとんどない。専門家や全国の鉄道ファンからの評価も高いという。

 同福井支部は住民グループ「北府駅を愛する会」(越前市)とともに200形電車保存の署名活動を行っている。岸本雅行支部長(66)=越前市=は「国鉄と競い合っていた時代も含め、長年活躍した車両。特に50代以上だと思い入れのある人も多いのでは。文化財的な価値も高く、できれば202号と203号の2編成を博物館や公的施設で保存してほしい」と話している。

 同社は今年2月にフクラムの2編成目を導入し、来年、再来年に3、4編成目が加わる計画。200形最後の1編成になった203号について同社鉄道部は「新車両との入れ替えでいずれは引退させる方向だが、まだ時期は決まっていない」としている。

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