コウホネなど希少な水生植物3種が約600メートルにわたって繁茂している福井市の底喰川=同市三郎丸2丁目付近

 絶滅の恐れがあるとして福井県のレッドデータブック(RDB)に掲載されている希少な水生植物3種が、福井市三郎丸2丁目付近の底喰川で繁茂しているのが見つかった。いずれも市街地の河川で生育するのは珍しく、確認した専門家は「福井の自然環境の潜在的な豊かさを示している」と話している。

 繁茂しているのは、県RDBで県域の準絶滅危惧種になっているナガエミクリ、ササバモと、要注目種のコウホネ。ナガエミクリは環境省のレッドリストでも準絶滅危惧種に指定されている。

 コウホネは、太く白い骨のような根茎と5〜10月に咲く3、4センチの黄色い花が特徴。ナガエミクリ、ササバモは水中で長く伸び、川の流れになびく。いずれも北海道から九州に分布しているが、農業排水や河川改修、アメリカザリガニの食害で近年は全国的に数が減っているという。

 環境省の希少野生動植物種保存推進員などを務めた植物資源研究機構設立準備室代表の赤井賢成さん(48)=福井市=が今夏、約600メートルにわたって3種が繁茂しているのを確認した。上流の泥に埋まっていた種子が改修工事で掘り起こされ、流されて水質や日光、温度などの条件が合い、この場所で芽を出した可能性がある。

 コウホネなどの生態に詳しい新潟大教育学部の志賀隆准教授(37)=植物分類学・保全生物学=は「市街地付近でコウホネなどが繁茂できるのは、昆虫や魚類など、ほかの生き物にとっても良い環境が残っているということ。生物多様性の維持という観点で貴重な場所」と指摘する。

 赤井さんは「河川管理者や地元の人に周知し、協働で調査や保全活動を行いたい。地域の宝として、この環境を守ってほしい」と呼び掛けている。

関連記事
あわせて読みたい