昨冬ごろから肩が痛くなり、五十肩と診断されました。その後、関節が痛くて動かしにくくなり、着替えに不都合も出てきました。近ごろは何をしていても、夜寝ていても肩が痛い状態です。病院に五十肩に関するチラシがあり、私の症状と同じでした。1〜2年で自然に治ると書いてありましたが、このまま悪化しないか不安です。対処や治療法について教えてください。(大野市、女性)

【お答えします】山門浩太郎 福井総合病院 スポーツ整形外科部長

■無理なリハビリ禁物

 五十肩はごくありふれた病気と考えられがちですが、実は原因がよくわかっていないだけでなく、特効薬的な治療もありません。特に、症状の重い時期に無理なリハビリをすることで、状態を更に悪化させてしまう事例が多く、対応には注意が必要といえます。

 五十肩の経過は、だいたい3期に分けることができます。(1)急性期=夜間の痛みや運動時に痛みが出ますが、まだ肩の動きは保たれています。(2)慢性期=肩の動きが制限され、日常生活に支障をきたします。この頃に医療機関にかかる方が最も多いようです。(3)回復期=痛みが軽減し、動きも徐々に回復していく時期です。

 それぞれの病期が4〜6カ月程度続くため、ちまたで言われているように五十肩は1〜2年で治ると考えられます。

 しかしながら、血糖値の高い人、高脂血症や甲状腺機能異常を併せて患っている人は、治りが悪いことが指摘されています。また、おおむね10%程度の患者さんの経過が悪く、症状の改善が見られないとの報告がなされています。

■定期的な受診必要

 治療は、痛くないように過ごすことが大原則で、「体操しないとダメ」とか「動かさないと硬くなる」などと考えて、痛いのに無理をして頑張ると、状態を悪化させてしまいます。痛い動作を避けることが重要です。洗濯物を干すといった、肩より高いところでの作業は台を使うなどして工夫してください。また、下のものを持つとか、体の前での作業は、意外なほどに問題ないことも多いですので、自分で痛みの少ない体勢を見つけていくことも重要です。医療機関では薬物治療が中心となります。特に問題となりやすい夜間の痛みに対しては効果を期待できる処方が存在します。また、当初は五十肩の診断で治療を進めていても、実は腱板(けんばん)断裂といった他の病気が隠れていて、経過中に診断が変更されることも考えられます。定期的な受診をお勧めします。

 要点をまとめますと▽五十肩の治療は時間がかかる▽痛みを生じる動作を避ける▽治療と相談のために医療機関を定期的に受診する—こと。特に慢性期では痛みと可動域制限でめいってしまうことも多いと思いますが、明けない夜はありません。頑張りましょう。

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