8回表、走者を背負い厳しい表情の敦賀気比・山崎颯一郎=17日、神宮球場

 第46回明治神宮野球大会第5日は17日、神宮球場で行われ、高校の部で北信越地区代表の敦賀気比(福井県)が決勝で高松商(四国代表・香川県)に3−8で敗れ、初優勝はならなかった。敦賀気比は先発山崎颯一郎が終盤につかまり8失点。打線も八回以降、得点圏に走者を進められず逆転負けした。

 「優勝を先に考えてしまった。集中が切れた」。エース山崎に疲れはなかった。七回までは要所で変化球を低めに集め、面白いように空を切らせた。八回。優勝まであとアウト六つ。歯車が突然狂いだした。

 先頭を一ゴロに仕留めたかに見えたが、内野安打。次打者は四球。三塁線へ転がされた犠打は捕球するも投げられない。無死満塁。観客のどよめきと歓声。エースを飲み込むように、神宮球場の空気が一変した。

 「走者を背負うと慌てる駄目なところが出た」。最大のピンチで、早くアウトを取りたい焦りと動揺がエースをかき乱した。変化球がワンバウンドし暴投で失点。直球は高めに浮き、カウントを取りに行けば適時打、そして連打され、まさかの5失点。一気に試合をひっくり返された。

 九回も歯止めは効かなかった。「あと1回。流れをもう一度こっちに持ってきたかった」。しかし、連続でバント安打を許し、自らの悪送球で失点。1死二、三塁から2死まで踏ん張ったが、135キロの直球を中前にはじき返され、試合を決められた。

 試合後、目を赤くして一塁側アルプスに深々と頭を下げた。「センバツは優勝できるように必死で練習したい」。2季連続センバツ出場はほぼ確実。神宮で流した涙を肥やしに、これまで2校しか達成していない「甲子園春連覇」の花を咲かせるつもりだ。

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