福井県嶺北地方を走行する「えちぜん鉄道」(本社福井市)の2015年度上半期(4〜9月)の利用実績がまとまった。前年度同期を約9万3千人上回り、過去最多の約173万5千人が乗車した。通勤通学定期、回数券の利用が堅調だった上に、観光・イベントを目的とした乗車が1割増えたのが主な要因。下半期もこのペースで推移すれば、21年度の目標333万人を6年前倒しで達成するのは確実で、初の340万人台も視野に入った。

 乗客数の伸び率は5・7%増で、内訳は観光・イベント目的の「非日常型」が前年度同期比約6万4千人(11・3%)増の約63万4千人だった。「日常型」と呼ばれる通勤通学定期、回数券は約2万9千人(2・7%)増の約110万1千人。路線別では勝山永平寺線が5・6%増、三国芦原線が5・7%増だった。

 「非日常型」が1割伸びた要因としては、北陸新幹線金沢開業効果を最大限に生かすため、昨年度から商談会で旅行会社へのセールスを強化したことが挙げられる。例えば、福井県内の観光地を巡るバスツアーとえち鉄の旅を組み合わせた商品などがあり、上半期だけでセールスの成果として約8千人の利用があった。

 福井県立恐竜博物館(勝山市)とタイアップした企画切符も好評で、そのうち入館料とバス利用料を組み合わせた割安な「恐竜セット券」は前年度同期比約4500枚(83・3%)増の約1万枚を販売した。

 えち鉄に対する県と沿線市町の支援と、利用促進策を盛り込んだ地域公共交通総合連携計画では、21年度の乗客目標を333万人と設定している。本年度は上半期が好調だったことに加え、下半期の10月に入ってからも、三国芦原線に9月末に新設した「まつもと町屋駅」(福井市町屋2丁目)や、北陸新幹線高架への仮線運行で新たな乗客の掘り起こしにつながっている。

 豊北景一社長は「県と沿線自治体、地域住民の皆さま、そして旅行会社や観光施設との連携をさらに強化し、一日も早く目標達成できるよう取り組んでいきたい」と意気込んでいる。

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