福井新聞文化賞の受賞者

 2015年度福井新聞文化賞の贈呈式が5日、福井市の福井新聞風の森ホールで開かれた。童話や詩の創作に励みながら、多くの愛好団体を育て、福井県の文化の向上に貢献した児童文学者の藤井則行さん(81)=福井市=と、若者の就農支援の成功モデルを築き上げた福井県若狭町の農業生産法人「かみなか農楽舎(のうがくしゃ)」に文化賞を贈った。戦後70年の節目に合わせ、福井空襲語り部の林正夫さん(84)=福井市=に特別賞を贈った。

 藤井さんは1966年、童話「祭りの宵に」で北陸児童文学賞を受賞。82年に本紙の創作童話コーナー「おはなしトントン」の執筆者になり、読者投稿型に移行してからも選評者として深くかかわってきた。日本児童文学者協会評議員。創作力を磨く市民講座なども企画し、各地の児童文学団体の設立につなげた。詩人としても評価が高く、2012年に北陸現代詩人賞に輝いた。

 かみなか農楽舎は農業を志す若者を対象に、2年間を基本とした研修プログラムを提供。卒業生のうち半数は研修終了後も地元に定住。体験事業も積極的に行い、近年の参加者は年間2千人を超える。農地の荒廃、農家の後継者不足が課題になる中、先駆的取り組みのモデルとして全国から注目されている。活力ある若者の受け皿となり、地域づくりを担う側面も併せ持つ。

 林さんは45年7月19日、福井郵便局(現在の福井中央郵便局)で宿直勤務中、福井空襲に遭った。九死に一生を得た体験や被害状況を県内で語り継いでいる。また、当時の記憶や体験者の話を絵に表したり、描いてもらったりして毎年展示会も開いている。

 贈呈式には藤井さん、かみなか農楽舎の下島栄一取締役(66)林さん、受賞者の関係者らが出席した。吉田真士社長が賞状と記念品を手渡した。福井新聞文化賞は今年57回目。

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