妊婦の41歳の娘のことです。第2子の妊娠23週ですが、ここ1カ月ぐらい、咳(せき)やたん、鼻づまりが治まりません。産科では漢方を処方してもらっています。アレルギー性鼻炎の体質もあり、横になると、のどがヒューヒューと鳴って、息苦しいらしく、夜中に起きることもあるそうです。このような状態が続くと、おなかの赤ちゃんに影響はないのでしょうか。また、かぜ薬やアレルギーの薬は飲まない方が良いのでしょうか。(坂井市、女性)

 【お答えします】熊谷亜矢子・福井県済生会病院産婦人科医長

 ■薬での治療が原則

 ぜんそくは、空気の通り道である気管支などの気道に慢性的な炎症が起こり、気道が狭くなって、発作性にゼーゼー、ヒューヒューと鳴る喘鳴(ぜんめい)や咳、呼吸困難などの呼吸器症状をきたす疾患です。原因はさまざまなアレルギー性物質などで、気温の変化や風邪、ストレスが発作の引き金となることがあります。

 胎児は胎盤からへその緒を通じて母体から酸素をもらっていますので、妊娠中に母体がぜんそく症状で苦しくなると、胎児も一緒に苦しくなってしまいます。また、ぜんそくの悪化による母体および胎児の低酸素血症は、周産期死亡率の増加や未熟児、低体重児の増加に関与する危険性が大きいと言われています。そのため、妊娠中は妊娠していない時と同様、薬物治療でぜんそく発作を抑えることが原則で、妊娠したからといって自己判断でぜんそく治療薬を中止することは絶対禁物です。

 また、長く続く咳の中には、肺結核、気管支肺炎などの感染症、間質性肺炎、肺がんなど、見過ごせない病気があります。ぜんそくの前段階とも言われる咳ぜんそくや、鼻汁が喉に降りて咳が出たり、胃液が食道に逆流するため誘発される咳もありますので、呼吸器科を受診し、正しい診断と治療をしてもらうことが大切です。

 ■胎児への影響は医師に相談を

 胎児に対する薬剤の影響は、妊娠のどの時期にどの薬を服用したかによって異なります。例えば、妊娠4〜7週末は胎児の重要な器官が形成される時期で、最も影響を受けやすい時期です。妊娠8週〜12週末までは口蓋(こうがい)や性器などの小奇形を起こす可能性がありますし、妊娠13週以降では奇形は起こしませんが、胎児機能障害を引き起こす可能性があります。ただし、いずれの時期であっても奇形などの影響が確認された薬剤は少数です。

 妊娠中だからこそ、必要な薬を使用して母親と胎児の状態を悪化させないことが重要です。妊娠23週であれば、比較的安全に薬剤を使用できる時期ですが、薬剤の種類や量によっては影響が出る可能性があるため、きちんと医師に相談し、適切な薬を使用するようにしてください。

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