拉致問題の早期解決に向け支援を呼びかける河合美智愛さんの母喜代子さん(左)ら特定失踪者の家族=1日、福井県おおい町の悠久館

 北朝鮮による拉致問題に進展がない中、拉致・特定失踪者問題の早期解決を願う福井県集会は1日、おおい町の悠久館で開かれた。拉致の疑いが拭えない県内特定失踪者の家族は、高齢や病気で出席できない人が相次ぎ、県特定失踪者家族会の澤香苗代表(59)は「これが家族の現状。非常事態だ。安倍晋三首相の決断と行動を求めたい」と切実な思いを訴えた。

 県特定失踪者の真相究明を願う会が主催。会長の森下裕若狭町長をはじめ首長、支援者ら約120人が出席した。高木毅復興相(衆院福井2区)は、進展がない現状に「政治家として大変申し訳なく、じくじたる思いだ。政治は結果」と述べ、政府の一員として全力を尽くす決意を示した。加藤勝信拉致問題担当相はメッセージを寄せ、「拉致被害者の認定の有無にかかわらず一日も早く、全ての拉致被害者の帰国を実現すべく全力で取り組む」とした。

 若狭町の宮内和也さん=1997年失踪当時(32)=の父和見さん(79)が入院中など出席できない家族が多く、壇上の家族は宮内さんの義兄澤代表ら3人のみ。越前市の河合美智愛さん=84年失踪当時当時(20)=の母喜代子さん(74)は、拉致問題担当相の交代に「がくぜんとした。難しい問題の担当者はコロコロ変えずに国家戦略として専従者が本気で取り組んでほしい」と注文。「家族が次々と入院されている中、私たち夫婦もともに74歳。右にも左にも動かない拉致の問題を抱えて長丁場を元気で生きていくにはどうすればよいのか」と不安も吐露した。

 敦賀市の山下貢さん=89年失踪当時(39)=の母きよ子さん(92)は欠席したが、「もう限界」と安倍首相宛てに撮影されたビデオメッセージが流された。

 家族の訴えに先立ち、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は、河合さんについて1日付で「拉致の疑いが濃厚」のリストに追加したと報告。拉致問題の解決には超法規的措置も探るべきだと持論を展開し、「首相が助け出す強い意志が必要。(小浜市の拉致被害者)地村さん夫妻が帰国したときのような世論の強さも重要になる」と強調した。

 小浜市の山下春夫さん=74年失踪当時(28)=を題材にした紙芝居も披露され、救う会福井の池田欣一会長(92)が救出への協力を呼びかけた。

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