「ハカセ通り」の命名を記念しテープカットする渋沢章悟さん(左から2人目)ら。裏路地がイベント会場になった=4月19日、福井市中央1丁目

 福井市のサンロード北の庄商店街にあるカフェ「ココット」の店先には、緑豊かな植栽とともにパラソルとテーブルが置いてある。お客だけじゃなく、買い物途中の親子連れらが一休みする姿も。「こんな場所がもっと集まれば、まちが“広場”になるんじゃないかな」と、店長の渋沢章悟さん(39)は話す。

 本来は飲食店が歩道でオープンカフェをする際、道路を管理する市の占用許可をその都度得て、使用料を支払う必要がある。JR福井駅西口周辺では、市の第三セクター・まちづくり福井が国の制度に基づく「都市再生推進法人」の指定を受け、2013年度から歩道一帯のオープンカフェとしての占用許可を年間単位で取得。各店舗が簡素な手続きで利用できるようにした。現在ココットなど7店舗が活用している。

 ココットはこのほか、近くの数店舗とともに私道の裏路地を「ハカセ通り」と勝手に命名。アートや音楽を楽しむイベントを路上で開き、新たなにぎわいを生んだ。「まちの活性化とか難しいことは考えず、自分たちのエリアを楽しくしようと思って」

 まちづくり会社「福井木守り舎」が運営するガレリア元町商店街の「これからビル」。ほとんど使っていなかった2階スペースで、25日にフリーマーケットが開かれた。

 「せっかくの空間がもったいない」と企画してくれたのは、1階カフェの臨時スタッフだった福井市の加藤恭子さん。「常にいろんなことをやっていて、いろんな人が足を運ぶ。そんな面白い場所がここならつくれそう」。洋服や雑貨約200点を所狭しと並べ、来店客の関心を集めた。

 路肩のコインパーキングの1区画に芝生を張り、ベンチでお茶を楽しむ人たち—。毎年9月の第3金曜日に開かれている国際的なイベント「パーキング・デイ」の一場面。アート作品を展示したり、卓球をしたりと、まちを楽しむ海外の発想は自由だ。

 イベントのホームページによると、米サンフランシスコのデザイン事務所が05年、都市部の公共スペースに対するニーズに目を向けようと始めた試み。今年は世界35都市で、駐車場が1日限りの「公園」になった。

 日本では無理とあきらめてしまっては、何も始まらない。公園や広場に限らず、建物でも路地でも、使える空間は自由に使って楽しめる場をつくる。まちの新しい魅力は、そんな発想から生まれるのかもしれない。(細川善弘、高島健)

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