ロコモ予防に効果的なハーフスクワット運動。いすに座った状態から腰を浮かして、体勢をキープする=福井県永平寺町の福井大医学部

 骨や関節、筋肉といった運動器が加齢によって衰え、「立つ」「歩く」などの日常生活の機能が低下する運動器症候群(ロコモティブシンドローム)。寝たきり予防や健康寿命を延ばすため、日本整形外科学会はロコモのリスクを判定する基準を作成し、普及に努めている。福井県内の専門医は手軽にできる運動でロコモ予防を呼び掛けている。

 人間の体格は骨と関節、筋肉で成り立っており、歩くなどの動作は運動器が連携して役割を果たしている。福井大医学部整形外科学の宮崎剛助教は「運動器の衰えを加齢の問題として片付けるのではなく、どれくらい弱っているのかを目に見える形で、分かりやすく示すのがロコモ」と説く。

 判定基準は「ロコモ度1」と「ロコモ度2」の2段階。

 ロコモ度1は、(1)高さ40センチの台に座り、反動を付けずに片足では立ち上がれない(2)大股で歩いた2歩分の距離(センチ)を身長(センチ)で割った指数(2ステップテスト)が1・3未満(3)日常生活の支障の有無を評価する25項目の質問リスト「ロコモ25」の点数が7点以上ある—のいずれかに該当する場合。日常生活の中に運動習慣を取り入れ、十分なタンパク質やカルシウムなどを含んだ食事を心掛ける必要があるという。

 ロコモ度2は、(1)高さ20センチの台から両足で立ち上がれない(2)2ステップテストの値が1・1未満(3)「ロコモ25」の点数が16点以上ある状態—のどれか一つに該当した状態を指す。膝や腰などに何らかの支障が生じている可能性が高く、医師の診察、管理の下で筋力維持のための運動と栄養指導を受けることが望ましい段階という。

 では、運動器の衰えは何歳ぐらいから意識すればいいのだろうか。宮崎助教は、運動習慣がない人や、デスクワークが多く夜遅くに食事を取るような人は、20代からでも骨が弱くなると指摘。筋肉の衰えは30〜40代から意識するべきだとする。また、ロコモになりやすい疾患として▽骨粗しょう症▽変形性膝(しつ)関節症▽腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症—の三つが挙げられるという。

 予防法は、まず定期的な運動負荷。運動は骨密度が上がり、筋肉の量も増やす。2点目は適正な食事。3点目は運動器の概念や、筋肉が少なくなると体の動きが不自由になるという知識を持つこと。

 その上で宮崎助教が薦めるのがハーフスクワット運動。いすに座り、机に両手を付いた状態で腰を浮かす。膝を曲げたまま、中腰の姿勢を取る運動。その状態で10秒間ぐらい保った後、立ち上がる。朝昼晩10回ずつ行うとよい。高齢者の場合、体が倒れた場合に備えていすを後ろに置き、安全を確保する。

 立ったり座ったりはもちろん、トイレやベッドからの立ち上がりなどの動作のベースになる太ももの前の大腿(だいたい)四頭筋が鍛えられる。手術後の安静期間などで筋肉が弱っている患者にも薦めているという。

 宮崎助教は「骨や筋肉、関節の衰えは、自分が思っている以上に衰えが進行している。健やかな老後に向けて、ロコモチェックで自分の状態をつかんで、予防に努めてほしい」と話している。

 ロコモ度のテストは同学会公認の予防啓発公式サイト「ロコモチャレンジ!」(https://locomo−joa.jp/)で。

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