活締め、神経抜きした越前がれいを刺し身にする料理人=16日、福井市のザ・グランユアーズフクイ

 鮮度抜群の「越前がれい」を、福井の新たなブランド魚に—。越前町漁協は同町沖を中心に福井県内で水揚げされるアカガレイを漁師自ら活締(いけじ)めし、神経を抜くことで刺し身として味わえる鮮度を3〜4日保持できる技術を導入。旬を迎えて販路拡大を図ろうと16日、福井市のザ・グランユアーズフクイで試食会を開き、福井県内の卸・仲卸業者や飲食店関係者らに造り、にぎりずしなどを提供し、新鮮なおいしさをアピールした。

 越前がれいは水深200〜300メートル、水温5度以下の海底に生息し、9月から始まる底引き網漁で漁獲される。漁期は5月までの9カ月間だが、旬は10〜2月。白く透き通った刺し身は、食感が良くて上品で濃厚な甘みがある。

 しかし鮮度は1日と持たず、身も固くなるため、これまで料理法は煮付け、焼き物などが中心だった。同漁協は刺し身として福井県内外に広く流通させたいと、昨年から福井県、越前町などと連携し、付加価値向上へ「活締め・神経抜き」の技術講習などを行ってきた。

 試食会は福井商工会議所、福井県漁連との共催で、漁業者や卸・仲卸業者、飲食店関係者、観光関連業者など約120人が参加。造り、にぎりずしをはじめとした▽からすみあえ▽葱味噌(ねぎみそ)焼き▽肝の山椒(さんしょう)煮—などの和食に▽フレッシュハーブ焼き▽塩窯焼きバルサミコ酢—などの洋食を加え、計16種類の料理を用意した。

 ユアーズホテルフクイ内の日本料理店の料理長が、越前がれい1匹を刺し身におろしていく巧みな包丁さばきを披露。頭と尾に切り込みを入れて冷水に浸し、血を抜いた後に切り込み部から針金を通し、神経を抜いていく技術の実演も行われた。

 参加者は刺し身について「上品な味わいで、ヒラメの代用食材として十分使える」「ふっくらと厚い身で、食べ応えがある」などと評価。観光関係者の1人は「まずは福井県内で食べられる店を増やし、福井県民全体で全国に発信していけるようになるといい」と話していた。

 福井県によると、昨年度の福井県の総水揚げ量約1万4千トンのうち約1割がアカガレイ。またアカガレイの漁獲高は約6億3千万円で、全国ブランドとして定着している「越前がに」に次ぐ規模となっている。

 海底耕耘(こううん)によって漁獲量は10年前の3倍に伸びており、越前町漁協の齊藤洋一組合長は「カニに続く新地域ブランドとして全国に広めていきたい」と意気込んでいる。

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