憧れの舞妓として27日にデビューする小浜市出身のふく弥さん=京都市東山区宮川筋4丁目

 「よろしゅう、おたのもうします」。福井県小浜市出身の女性が京都市の花街の一つ、宮川町(みやがわちょう)で27日に舞妓(まいこ)デビューする。「仕込みさん」と呼ばれる修業を経て、先月末から「見習いさん」として先輩に付いてお座敷に出ており、客の応対や酒席のマナーを身に付けている。「緊張するけど、うれしおす。気遣いができる舞妓さんになりとおす」とその日を心待ちにしている。

 小浜市香取の通称「三丁町」で、芸妓(げいこ)をしている播磨(はりま)ももさんの次女、沙弥(さや)さん(16)。小学4年生のころ、京都へ三味線の稽古に行く母親に付いて行き、だらりの帯や花かんざしで着飾った舞妓を初めて見た。「私もいつかは舞妓さんに」と憧れを抱くようになった。

 中学3年の昨年夏、京都市東山区宮川筋4丁目のお茶屋「河(かわ)よ志(し)」のホームページで舞妓募集を知り、母親に相談し応募。3日間の舞妓体験を通し心を決めた。

 昨年末、卒業を前に河よ志に住み込んだ。小浜に戻ったのは卒業式の前約10日間だけ。それ以外は毎日、舞やお茶の稽古に励み、女将の佐々木民子さんの手伝いをしながら花街のしきたりを覚えるなど修業に精を出した。

 「仕込みさん」として約9カ月を過ごし、9月11日に舞の試験に合格。「お盃(さかずき)」と呼ばれる先輩芸妓らとの儀式も終えた。名前は本名の一字を取り「ふく弥」に決まった。

 小浜にいたころは夏祭りに浴衣ぐらいしか着たことがなかったが、河よ志に住み込んでからは着物が普段着。ようやく慣れてきたが「正座するのは大変どす」と現代っ子の一面も。女将からは「ネコ(猫背)になってる」と再三注意を受けていた。

 化粧や襟足の白塗りも自分でしなければならず、慣れるまでは大変だった様子。舞妓独特の言葉遣いにも苦労したようで「ときどき小浜の言葉が…」とはにかんだ。舞のほか、三味線や長唄などの稽古も励まなければならない。舞妓としては20歳前後までで、その後は芸妓に「襟替え」する人が多いという。

 自らも舞妓や芸妓の経験がある女将の佐々木さんは「舞妓としてはまだまだ。見習いさんの間はミスをしても許されるが、舞妓になったら絶対に許されない」と厳しさを指摘。「素直に先輩の言うことを聞く耳を持って頑張ってくれれば」と期待している。

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