春にピロリ菌の1次、2次除菌をしましたが、まだ菌がいるようです。3次除菌をした方が良いのか悩んでいます。年金生活のため、3次は保険が適用されないことも気になります。また、2次から期間を空いてもよいのか、胃潰瘍や胃がんに進行するリスクを教えてください。現在の症状としては、軽い胸やけと、酸っぱい胃液が上がってくることがあります。(福井市、67歳女性)

 【お答えします】須藤弘之・福井大医学部消化器内科准教授

 ■胃潰瘍や胃がんと関連濃く

 ピロリ菌は、日本人の約半数の人が感染しており、高齢者ほどピロリ菌の感染率が高い傾向にあります。基本的には経口感染で、乳幼児期に汚染された井戸水によって感染したり、家族を通して感染したりすることが多いとされております。

 ピロリ菌に感染した胃には必ず慢性胃炎が起こりますが、感染者の多くは無症状で、一部の方は上腹部に症状がでます。軽い胸焼けなどの症状を訴えられておりますが、慢性胃炎による症状か、胃食道逆流症などの他の疾患による症状かは、内視鏡検査などで確認する必要があります。

 胃・十二指腸潰瘍はピロリ菌感染者の数%の人が発症するとされており、胃・十二指腸潰瘍の80〜90%はピロリ菌が原因と考えられています。また、ピロリ菌感染者では、1年間に約0・4%の方が胃がんになるとされていますが、胃がんの実に99%以上はピロリ菌関連であることが明らかになっています。

 ピロリ菌の除菌は、胃・十二指腸潰瘍の発症や再発の予防になるだけでなく、胃がんの発生を3分の1以下に低下させるのではないかとの報告もあります。除菌を行うことは、このようなピロリ菌関連疾患の治療や予防はもちろんですが、次世代への感染ルートの抑制にも役立つ点で重要と考えます。

 ■3次の成功率90%

 保険が適用される1次と2次の除菌治療を合わせると、95%以上の方が除菌に成功しています。最近発売されました新しい胃薬(ボノプラザン)を使いますと、1次・2次治療の合計で99%以上の方が除菌に成功しています。しかし少数ですが、除菌不成功となることもあります。

 3次除菌治療は保険適用外ですが、近年種々の臨床研究がなされ、約90%の除菌成功率が得られる投与法が確立しつつあります。2次治療から長期間経過していても構いません。ただ、3次治療を行っている施設は限られますので、日本ヘリコバクター学会のホームページに掲載されております、ピロリ菌感染症認定医の在籍する施設でのご相談をお勧めいたします。費用については施設によってさまざまですので、確認が必要です。

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