不発弾を慎重に処理する警察官=29日午後2時半ごろ、福井市照手4丁目

 29日午前11時半ごろ、福井市照手4丁目の解体中の空き家で、作業員が不発弾とみられる不審物を発見した。110番で駆け付けた福井署などが調べたところ、米国製の迫撃砲弾(長さ33センチ、直径8センチ)で、起爆装置は備わっていなかった。危険性の有無が分かるまで市は現場周辺の30世帯に避難指示を発令、住民は公民館などに一時避難した。

 迫撃砲弾は、県警が陸上自衛隊第10師団(名古屋市)に画像を送付して爆発しないことを確認し、警察官が回収した。発見した作業員は「床をはがす作業を終え、ごみを撤去している際に見つけた。地面に埋まっていたのではなく床下にあったと思う」と話した。

 現場は福井市出身の映画監督伊藤俊也さん(78)の実家で、両親の他界などにより、長年空き家になっていたという。伊藤さんは取材に対し「55年前の映画の撮影時、安全な模擬弾のようなものということで誰かから記念品としてもらい、持ち帰った。周囲には大変な迷惑を掛けた」と陳謝した。

 市危機管理室は午後1時に避難指示を発令。職員らが各世帯を訪ね、在宅していた9世帯10人に避難を促した。爆発しないことが分かったため、同2時5分に解除した。

 市が避難所として指定した湊公民館には2世帯3人が駆け込んだ。女性(91)は「驚いた。福井空襲を思い起こした」と話し、別の女性(87)は「びっくりしたが、爆発しなくてよかった」と胸をなで下ろしていた。

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