済生会フェア市民公開講座で講演する乙武洋匡さん=27日、福井市の福井県済生会病院

 「健康の輪を広げる」をテーマにした済生会フェア(福井新聞社共催)が27日、福井県済生会病院(福井市)で開かれた。病院の一部を健診や医療の仕事体験コーナーとして開放。ベストセラー著書「五体不満足」で知られる乙武洋匡さんを招いた市民公開講座では、人は誰でも「得意なこともあれば弱みもある」と認め合える「優しい地域社会づくり」を考えた。

 社会福祉法人恩賜財団済生会が2年前から全国の済生会病院で開いている。福井県開催は初めてで、朝から大勢の人が訪れた。

 乙武さんは「みんなちがって、みんないい」と題して講演。2007年4月から3年間勤めた東京都の公立小教諭時代の経験などを語った。

 女児からある日、生まれつき手足が短いことを忘れたかのように「先生の靴のサイズは?」と尋ねられ、乙武さんは「しめたと思った」という。障害者への差別、偏見をなくす近道が「日々をともに過ごすことによる『慣れ』」だとし、女児の質問が「教師のスタートラインに立てた瞬間だった」と振り返った。

 また、学級をジグソーパズルに例え「ピースの出っ張りと凹みのように、児童一人一人にも得意なことと弱点がある。でも、つなぎ合わせれば美しい絵や写真になる」と強調。「これは職場や地域、国際社会にも言えることで、安倍晋三首相がいう『1億総活躍社会』の大前提にもなるのではないか」と続けた。

 フェアでは、子どもたちが腹腔(ふくくう)鏡手術や胃カメラ健診などを、医師らの指導を受けながら体験。血管年齢や認知症チェック、血圧、骨密度などの無料健診もあった。

 会場には福井新聞社の移動編集車「風の森号」が出動し、マイ号外を発行。また、乳がんの早期検診、早期発見を啓発する10月の「ピンクリボン月間」を前に、病院1階の総合受付に設置するリボン・ツリーの最初の1本を結ぶセレモニーも行われた。

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