緊急被ばく医療の訓練で患者役の職員の除染、治療を行う医師ら=26日、福井市の県立病院

 原発事故を想定した緊急被ばく医療の訓練が26日、福井市の県立病院で行われた。防護服姿の医師や看護師、放射線技師が除染チームを組み、患者の除染、治療など初動対応の手順を確認した。

 見学の医師、看護師や県防災航空隊員らを含め約80人が参加した。訓練は大地震により県内原発で事故が起き、放射線管理区域内の高所から転落したり、タンク内で転倒したりして負傷、被ばくした作業員2人を相次ぎ受け入れる想定。6、7人で構成する除染2チームが対応した。

 患者役の職員は、県の防災ヘリで病院屋上のヘリポートに着き、ストレッチャーで被ばく医療を行う緊急時医療対策施設に運び込まれた。床や壁、ベッドがシートで覆われた処置室で、防護服にゴーグル、ゴム手袋を着けた医師らが患者の放射線量を測定。エックス線撮影、放射性物質が付着した腕や脚の傷口の洗浄、初期治療などをした。

 東京電力福島第1原発事故後、現地の医療拠点で治療に当たった同病院救命救急センターの前田重信医長(46)が指導。「自分の顔に手が触れないように」「患者のくしゃみで(付着した放射性物質が)飛散しないようフェースガードを使うといい」と2次被ばくの回避策を助言した。

 チームリーダーを務めた同センターの西沢拓也医師(28)は「防護服とゴーグルで動き、視野が制限され、通常の診療より難しい。ゴム手袋の交換や線量測定などやるべきことも多く、看護師、放射線技師との意思疎通が大事だと感じた」と汗をぬぐった。

 県立病院は原発事故などが起きた際に患者を受け入れる拠点として、県が2次被ばく医療機関に指定。緊急時医療対策施設は1999年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故を教訓に、2001年建設された。被ばく医療訓練は02年度から行っており、今年で11回目。

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