大勢の家族連れでにぎわうお盆の福井県立恐竜博物館=8月16日、福井県勝山市

 北陸新幹線の金沢延伸は、未開通の福井県や、北陸とつながった長野県にも良い影響をもたらした。延伸開業前、北陸の中で取り残されると焦りがあった福井県、始発・終着駅の利点を失うと懸念した長野県だったが、ともに来訪客を増やし、チャンスをうまくつかんだようだ。開業効果持続という課題に向けて、それぞれ期待を膨らませる。

 かつて「関西の奥座敷」と呼ばれ、近畿圏からの客でにぎわった福井県の芦原温泉。石川県境に近く、4〜6月の宿泊客数は前年同期比で2割以上も増加した。あわら市観光協会によると、関東方面からの客数が伸びており、金沢市で泊まる宿がなく移動してきた人も多いという。観光協会担当者は「リピーターを増やしたい」と意気込む。

 福井県の集計で、大型連休中に東尋坊(坂井市)や県立恐竜博物館(勝山市)など主要観光地を訪れた人は前年同期比で3割増えた。首都圏でのPR事業、福井駅前への実物大恐竜モニュメント設置といった取り組みも奏功したようだ。

 それでも「金沢の人気スポットに比べるとメディアでの取り上げられ方が足りない」(県観光振興課)といい、広報宣伝に力を入れる構えだ。

 長野駅に近い善光寺(長野市)で4、5月にあった、数えで7年に1度の御開帳は好評を博した。寺や市でつくる御開帳奉賛会の推計によると、過去最高となる707万人が訪れ、長野県内に約1137億円の経済効果を及ぼした。

 JR東日本が調べた8月7〜17日の長野駅降車人員は26万4千人と、昨年同期より13%増。長野市周辺のホテルは御開帳が終わった6月以降も予約数が堅調で、昨年より宿泊者は増えているようだ。北陸方面から新幹線で訪れた観光客も大きく貢献しているとみられる。

 長野商工会議所の担当者は「長野が通過駅となることで観光客が減ると心配していたが、それほど影響は出ていない」とほっとした様子。「北陸とつながったメリットを大きくしたい」と新規観光客をつかもうと意欲を見せている。

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