26日のイベントで男女の出会いの場となる本堂。佐々木さんは「ご縁を提供したい」と話す=福井市の西別院

 晩婚化が進み、生涯結婚しない人の割合も高くなっている中、福井県内では官民による婚活イベントが“花盛り”だ。県の婚活サイトに掲載されたイベントに、昨年度は4600人以上の男女が参加した。「気恥ずかしい」など参加者の婚活への抵抗は少なくなっており、飲食店では年代を区切って定期的に開催し、固定客をつかんでいるケースや、寺がイベントを主催するといった新たな動きも出始めている。

  ■「ご縁を提供」■

 「若い人たちにお寺を身近に感じてもらいたい」。福井市の浄土真宗本願寺派福井別院(西別院)の職員で、僧侶の佐々木尚亮さん(29)は話す。佐々木さんら僧侶と門徒でつくる福井教区仏教青年連盟は26日に、西別院で男女が出会うイベントを開く。

 県内約370カ所ある浄土真宗本願寺派の寺に声を掛け、20〜45歳の男女計40人を集める予定で、厳かな本堂で男女が対面した後は、場所を変えて1対1で順番に男女が話す時間を設ける。続いて飲食をしながら、グループトークを行い、最後はフリータイムという流れだ。

 佐々木さんは「ご縁を提供するのは、お寺の役割の一つ。カップルになった人たちが仏前結婚式を挙げるなど、お寺とのかかわりを深めるきっかけになれば」との思いもある。

 4月には、同市の東本願寺福井別院でも「お寺で大人婚」が開かれ、男女計38人が参加。男性の平均年齢は42・2歳、女性は37・1歳だった。僧侶の講話を聞いた後、縁結びにちなんでおむすびを作るなどし、6組のカップルが成立した。

  ■10分で席替え■

 寺以外でも、ホテルや飲食店、商工会議所、社会福祉協議会、市町などが主催する婚活イベントは盛んだ。県のインターネットサイト「婚活カフェ」には昨年度、170件のイベントが掲載され、計4615人の男女が参加した。

 福井市内で飲食店2店舗を経営する長松幸男さん(41)は、7年ほど前から婚活イベントを企画している。現在は両店舗ともに毎月1回のペース。20〜35歳、20〜45歳など、店によって年代を分けており、毎回数十人の男女が集まる盛況ぶりだ。

 当初は、男女混合のチームを作ってゲームをするなど趣向を凝らしていたが今は、10〜15分ごとに席替えを行い、最後の1時間はフリータイムというシンプルなスタイルになった。長松さんは「婚活に対する参加者の抵抗感はなくなった。とにかく多くの人と話せる機会を提供することに専念している」という。女性からの要望を受け、今年からは40〜60歳限定の婚活も始めた。

 「結婚に至るケースは増えており、やりがいを感じる。イベントが認知されるまで時間はかかったが、店を大勢の人に知ってもらえるようにもなった」と長松さん。今後は県外の女性と県内の男性をつなげるイベントをやってみたいという。

  ■生涯未婚増加■

 福井県女性の平均初婚年齢は1985年に24・8歳だったが、2014年には28・7歳まで上昇。男性は09年に30歳を超えた。一生結婚しない生涯未婚率も急激に上昇しており、福井県男性は85年の2・13%が10年には15・83%に。一方、85年に1万44人だった出生数は、14年には6166人となり、38・6%も減った。

 県の人口減少対策戦略案では、結婚・出産の支援を柱に掲げる。7月には、婚活イベント企画・開催法を学ぶセミナーを開催。飲食店やホテル関係者など35人が参加した。

 10年度に始めた出会いの仲介や結婚相談を行う「地域の縁結びさん」制度は、13年度の登録が38人だったが、14年度は96人に急増。同年度に結婚に至った数は100組に上った。

 さらに、本年度からは企業や団体に「職場の縁結びさん」の設置を呼び掛けており、企業間の交流会などでのカップル成立を目指す。

 イメージ戦略にも取り組む。県民から募集した結婚の幸せエピソードを基に、15秒のコマーシャル4本を制作。11月からテレビや県内の映画館で放映するなど、結婚ポジティブキャンペーンを展開する。県女性活躍推進課の藤丸伸和課長は「結婚に対する前向きな機運を醸成しつつ、出会いの場を設けることで、若い人たちが人生設計を考えるきっかけになれば」と話している。

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