再開の準備が進む鳩ケ湯=17日、福井県大野市上打波

 ことし2月に雪の重みで倒壊した福井県大野市上打波の温泉旅館「鳩ケ湯(はとがゆ)」の温泉部分が20日、営業を再開する。経営の中心だった男性の事故死、建物の倒壊と度重なる受難を乗り越え、2年4カ月ぶりに自然に囲まれた癒やしの湯が復活する。20、21の両日は無料開放される。

 鳩ケ湯は奥越の秘湯として知られ、ヤマバトが傷を癒やしに水浴にきたことからこの名が付いたとされる。家族経営の中心だった森嶋宏さん(享年59)が亡くなり2013年5月に閉館。昨夏、精密機械加工・設計製作の豊実精工(岐阜県)が買い取り、今春の再開へ準備していた。

 ところが2月、3メートル以上の雪が積もり、同社の中島尋幸さん(62)が雪下ろしに訪れたときは一部を残して倒壊していた。

 幸い浴室は被害を免れた。同社はまず温泉を再開しようと、鳩ケ湯へ向かう県道の冬期間通行止めが解除された4月末以降、改修工事を進めてきた。がれきの撤去には有志の若者たちも協力した。

 5月下旬からは、再開時に料理長兼管理人に就く予定だった中澤敬之さん(69)が妻の正子さん(67)と静岡県から移り住み、中島さんと再開へ奔走してきた。休業中も客から多い時で日に5、6件の問い合わせがあったという。

 17日、県から温泉の営業許可が出て再開が決まった。中島さんは「亡くなった森嶋さんが一番喜んでいるんじゃないか」と感慨深げに話した。

 20日と21日は感謝を込めて入浴料を無料にする。18日に調理場の検査があり、合格すれば20日からそばや丼物の提供も始める。全壊した客室部分は来年以降に新たな建物を着工する予定。

 11月下旬までは無休。午前11時〜午後7時ごろまで。入浴料大人600円(65歳以上500円)、子ども300円。タオルは200円で販売する。問い合わせは鳩ケ湯=電話0779(65)6808。

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