拒食症の10代女性は縮小していると分かった脳の部位について説明する藤澤隆史特命助教=8日、福井県永平寺町の福井大松岡キャンパス

 福井大の研究チームは、拒食症の10代女性が健康な同世代の女性に比べ、感情や行動を抑制する脳の部位が縮小していることを突き止めた。このほど、米オンライン科学誌「プロスワン」に論文が掲載された。福井大子どものこころの発達研究センターの藤澤隆史特命助教は「拒食症の一つの指標と言え、治療効果が出ているかどうかの判断基準になり得る」としている。

 藤澤特命助教らのチームは、初診で拒食症と診断された12〜17歳の女性患者20人の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)で撮影。食行動に問題のない11〜16歳の女性14人の脳を撮影した画像と比較し、違いがないかを探った。

 その結果、患者の脳全体の容積は、やせた影響などで平均10%程度少なく、特に前頭前野にある欲求や衝動のコントロール、行動の抑制などをつかさどる「下前頭回(かぜんとうかい)」は減少率が左で約19%、右で約18%と突出していた。年長の患者になるほど、同じ部位の容量が小さくなる傾向があることも分かった。

 拒食症は、やせた体形への強い憧れや肥満嫌いにより、極端に食事を制限する精神疾患「摂食障害」の一つ。患者は若い女性に多く、低年齢化も指摘されている。栄養状態の改善や自分の体への意識を変える治療、精神療法が行われるが、回復に時間がかかることで知られる。

 拒食症が原因で下前頭回の容量が低下するのか、容量低下により拒食症になるのか、相関関係は分かっていないが、藤澤特命助教は「脳の特定部位は分かったので、将来的にその部位に効く薬の開発につながる可能性はある」と話している。

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