重陽の節句に合わせて開かれる人形展。右側はテレビドラマ「天皇の料理番」に使われたひな人形=7日、福井県大野市明倫町の藩主隠居所

 9日の重陽(ちょうよう)の節句にひな人形を飾る江戸時代の庶民の文化を知ってもらおうと、「重陽の節句人形展」(福井新聞社後援)が9日から、福井県大野市明倫町の藩主隠居所などまちなかの3カ所で開かれる。有志でつくる越前おおのひな祭り実行委員会が初めて実施。テレビドラマ「天皇の料理番」に“出演”した人形など計約130体が飾られる。10月15日まで。

 江戸時代、重陽の節句に長寿を願ってひな人形を飾る「後(のち)の雛(ひな)」が、庶民の間で盛んに行われたという。

 同実行委は2011年から毎年春に、捨てられず市内の玩具店に持ち込まれた人形を展示する「ひな祭り」を開いている。今年で5回目を迎え、入り込み客数が初めて1万5千人を超えた。

 会長の高橋佳枝さん(61)は、「『後の雛』をやりたいという思いがずっとあった。春の催しが定着してきたと思えたので、実行に移すことにした。重陽の節句にもひな人形を飾るという伝統文化を知って、多彩な人形を見て回ってほしい」と話す。

 会場は藩主隠居所と武家屋敷旧田村家(城町)、旧内山家(同)。藩主隠居所には、テレビドラマ「天皇の料理番」収録時に市内の所有者が依頼を受けて貸し出した3段飾りが置かれる。旧田村家では御殿に入った昔ながらの人形が、旧内山家では7段飾りが披露される。重陽の節句は菊の節句ともいわれ、各会場には同市伝統の水引細工の菊の花が飾られる。

 藩主隠居所は午前9時〜午後5時。旧田村家、旧内山家は午前9時〜午後4時(日曜、祝日は午後5時まで)で、入館料200円(高校生以上)。問い合わせは高橋さん=電話0779(66)2082。

 重陽の節句 9月9日。1月7日(人日=じんじつ)、3月3日(上巳=じょうし)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)と並ぶ日本の五節句の一つ。中国の陰陽思想で奇数をめでたい陽数と考え、3、5、7、9の陽数のうち一番大きな9が重なる日であることから重要視された。菊の節句とも呼ばれる。

 重陽の節句に長寿を願い、「後の雛」としてひな人形を飾る風習は、江戸時代に庶民の間に広まった。3月3日を過ぎて片付けた人形を虫干しすることで、長持ちさせる知恵でもあったという。

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