近松賞受賞作について講評する藤田宜永さん(右から2番目)=29日、福井県鯖江市立待公民館

 「さばえ近松文学賞2015〜恋話(KOIBANA)〜」(福井新聞社共催)の最終審査と結果発表が29日、福井県鯖江市立待公民館で行われた。一般の部の最高賞「近松賞」には、牧康子さん(東京都杉並区)の「夢の夢こそ」が輝いた。

 鯖江市立待地区で幼少期を過ごした江戸時代の人形浄瑠璃作家、近松門左衛門にちなんで2013年から開いている。ことしは県内外から一般の部に433点、高校生以下の「学生の部」に25点の応募があった。

 特別審査員の直木賞作家、藤田宜永さん(福井市出身)らが審査し、両部門で計10点の入賞作品を選んだ。「夢の夢こそ」は東京で小料理屋を営む女性と、鯖江市から出張で訪れた還暦間近の男性の恋物語。男性が掛けている眼鏡を小道具に、2人の心情や意外性のある展開を巧みに表現した。

 藤田さんは「全国に発表するものなので、きっちり小説として書けているかを中心に見た。近松賞作品は書き慣れている安定した文章。しかも話がひねってあった」と講評した。「夢の夢こそ」は9月中旬に、福井新聞紙上で紹介する。表彰式は10月3日、同公民館で行う。

 同文学賞は立待地区の住民らでつくる「近松の里づくり事業推進会議」が主催。恋愛をテーマに鯖江市の歴史・文化・産業を盛り込んだ4千字以内の作品を募集している。

 近松賞以外の入賞者は次の皆さん。

 【一般の部】▽優秀賞 山田密(横浜市)「かささぎ橋」、堂埜咲代子(福井市)「ビー玉じゃなくエー玉」、荒川栄美(福井県越前市)「絹唄」▽佳作 山野内綾香(福岡県みやこ町)「クレマチス越しの視線」、後藤眞吉(東京都品川区)「桜切り」、杉原佳菜(福井市)「いくひさしく」、渡利與一郎(福井県鯖江市)「仄聞〜白鬼女橋〜」、山本淳子(福井県鯖江市)「こう姫」

 【学生の部】▽松平昌親賞 塩田きよら(東京都大田区)「君に会うために」

関連記事
あわせて読みたい