2、3年前からショートテニスやラージボール卓球などのスポーツに親しんでいます。今年になってから、小走りをしたときに左膝が「カクッ」と力が抜けたように折れて、ひざまずくようになることがあります。痛みはありません。スポーツをしているときは力を入れているためか、なりません。何か悪いところがあるのでしょうか。(福井県越前市、68歳女性)

 【お答えします】尾島朋宏・福井総合病院リウマチ科部長整形外科医師

 ■靱帯の損傷が原因か

 「カクッ」と膝が折れる症状は通常「膝くずれ」といわれ、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)損傷や大腿四頭筋(だいたいしとうきん)(太ももの筋肉)の筋力低下が原因とされています。相談者は68歳の女性でスポーツをよくされるということですが、以前に膝をけがされたことはなかったでしょうか?

 スポーツ選手の膝のけがの中で、前十字靭帯損傷は最も多いものの一つです。前十字靭帯とは大腿骨(太ももの骨)と脛(けい)骨(すねの骨)をつなぐ靭帯で、膝の安定性に非常に重要です。ストップ、ターン、ジャンプの着地などの際に負傷することが多く、スキー、バスケットボール、サッカーなどでよく起こります。

 負傷すると「膝が抜けた感じ」がして、その後スポーツを継続できなくなることが多いです。膝に血がたまり、はれと痛みが数週間は続きますが、負傷直後の急性期を過ぎると日常生活には困らなくなります。

 膝の不安定性の徒手的検査とMRIなどで診断が可能ですが、早期に診断と指導がされないと、一見治ったように思ってしまい放置されることがあります。そのまま無理をしてスポーツをし続けると、膝くずれの繰り返しにより半月板や軟骨の損傷が大きくなり、膝のひっかかりや伸びにくさを生じることもあります。はっきりしたけがの自覚のない場合や、軽く膝をねじっただけで、腫れや痛みが軽度の場合もまれにあるので注意が必要です。

 ■症状続くなら受診、検査を

 若いスポーツ選手であれば、前十字靭帯を再建する手術を行うことが多いのですが、中年以降の方の場合は他の損傷や希望されるスポーツに応じて治療法を決めます。

 また前十字靭帯損傷がなくても、何らかの原因で大腿四頭筋の筋力が低下し、膝くずれを生じている可能性があります。痛みがある場合は膝や腰の老化現象が原因であることが多いのですが、痛みがない場合は神経や筋肉自体に問題がある可能性もあります。症状が持続しているようであれば、早めの病院受診と精密検査をお薦めします。

 はっきりした原因が見つからない場合は、より積極的に大腿四頭筋の筋力訓練を行うべきです。

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