子どもの「理科離れ」が指摘される中、全国学力テストで初めて全員参加となった理科の平均正答率は、福井県の小6が2位、中3が1位となった。3年前の抽出調査と同じ順位で、平均の学力は高い水準にあることを証明した形。同時に行われた質問調査(公立)では「理科の授業内容が分かる」と答えた福井県の小6、中3の割合が全国平均より高く、県教育委員会(教委)は「教員が観察、実験中心の授業を重視し、子どもたちの実感を伴う理解につながっている」と強調した。

 観察の成果が出たのは、小6に出題されたメダカの雄と雌の見分け方の問題。福井県の正答率は89・6%で全国平均78・0%を大きく上回った。県教委の三崎光昭指導主事(48)は「教科書やプリントだけでなく小5の段階でメダカを飼育して一人一人が観察するようにしている」と“差”が出た理由を説明した。

 質問調査でも理科の授業で観察実験を「週1回以上」「月1回以上」行ったと答えた小6は93・4%(全国平均90・0%)、中3は92・8%(83・9%)と割合が高かった。

 県教委が指導の強みに挙げるのは「教員同士のチーム力」。県内の地域ブロックごとに観察・実験講習会と授業研究会を行い、教員が意見交換して授業改善に役立ててきた。小中合同で行う地域が多く、縦の連携も重視。2012年には小学教員用の指導書「観察・実験レシピ集」を作り、各小学校に配った。

 質問調査では「理科の授業内容が分かる」と答えた福井県の小6は91・3%(全国平均87・9%)、中3は74・0%(66・8%)と高かった。

 ただ、理解が深まり、好成績を上げても「理科離れ」の状況は、依然として課題だ。質問調査で「理科の勉強が好き」と答えた割合は小6が85・0%に対し、中3は69・3%。「理科の勉強は役に立つ」は小6が78・0%だったが、中3は55・2%にとどまった。

 一部抽出だった12年度の理科に関する調査で、現在の中3が小6当時に答えたのは「好き」84・9%、「役に立つ」87・9%。3年間で大幅に減っており、理科離れが中学では顕著に表れた。

 小学は授業で楽しむことを重視するが、中学では難易度が上がり、専門的な知識を覚える必要もあるため、苦手意識を持つ生徒がいるとみられる。

 県教委は、中高生が科学的な思考力や判断力を競う「ふくい理数グランプリ」などの取り組みを継続、拡充するとともに、「実際の生活や社会から授業内容が離れないようにし、身近なものを題材にするなど、今後も授業の改善に努めていく」としている。

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