犯罪被害者の実態や支援について考える「第六回犯罪被害者支援全国経験交流集会」は二十七日、福井市の県民会館で開かれた。社会全体で被害者や家族を守る機運が高まる中、実情報告や弁護士の体験談を通して、被害者を取り巻く司法関係者らの支援態勢の在り方を探った。

 集会は、被害者支援の取り組み強化を目指す福井弁護士会が誘致。日弁連、中部弁護士会連合会とともに開いた。全国の弁護士や司法当局関係者ら約百五十人が参加した。

 第一部は全国犯罪被害者の会(あすの会)の関西地区有志が、人形劇で問題提起。暴漢に一人娘を殺された夫婦が、裁判でも被害者感情を軽視され苦しむケースを紹介した。

 二部は県内からの報告。昨年四月に傷害致死事件で夫を亡くした今里明子さん(35)が、「事件直後から弁護士らに手をさしのべてほしかった」と当時の苦しみを語り「被害者や遺族はもっと苦しみを社会に叫ぶべき」と訴えた。NPO法人福井被害者支援センターの松原六郎理事長は「活動自体があまり知られていない。活動を活発化するためにも、多くの人にセンターに参加してもらいたい」と呼び掛けた。

 三部では弁護士が被害者から相談を受ける際、何気ない一言が被害者を傷つけることを寸劇で表した。また、近藤日出夫弁護士(宮崎県)は、婚姻届偽造殺人事件の際、被害者支援に奔走した経緯を語った。日弁連内に設置されている支援委員会や日本司法支援センターからも報告があった。

 今年四月に犯罪被害者等基本法が施行され、今月初めには政府が犯罪被害者等基本計画骨子を発表するなど被害者支援の動きが本格化している。

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