盲導犬「あいむ」と歩く女性。白杖を使うよりも不安が少なく、さっそうと動けるという=福井県福井市内

 障害のある人に対する差別の禁止などを盛り込んだ「障害者差別解消法」が施行から3年目を迎えた。福井県内でも、当事者らが声を上げて差別的対応が解消された例がある一方、県身体障害者福祉連合会に寄せられた相談は昨年度451件にも上り、自治体や障害者団体が事業者などに改善を求めるケースが少なくないことが分かった。「障害に対する配慮が社会全体に広がっていない」と考える当事者も多く、誰もが分け隔てられることなく共に暮らせる社会の実現は道半ばだ。

 「盲導犬はだめです」。福井市内の全盲の女性(73)は昨年、同市内の飲食店を友人と訪れた際に入店を拒否された。これまで何軒も断られた経験があり「またかって感じ。がっかりです」と残念がる。他の客に迷惑がかかる可能性を店側は主張するが、7年間ともに暮らす盲導犬はしっかりとしつけされ「ほえたりかみついたりすることはなく、衛生面にも気を使っているのに」と憤りを隠さない。

 2016年4月に施行された障害者差別解消法は、不当な差別的取り扱いを禁止している。正当な理由のない同伴拒否は差別的取り扱いに当たり、02年施行の身体障害者補助犬法でも禁じられている。

 市の施設でも入場を拒否されたことがある女性は「盲導犬はペットじゃなく私の目そのもの。自分を否定されたようで悲しい」と話し、法の理念浸透にはまだ時間が必要と感じている。

 重度・重複の障害がある人の活動をサポートする福井市の「げんきの家」の利用者とスタッフは昨年、同市内のスーパー銭湯に出掛けた際、受け付けで呼び止められた。「何かあったら責任が取れない。設備の整った専門の施設に行ってください」。生活支援員の男性(28)は「入り口にスロープがあり、これまで何度か利用してきたのに突然言われた。けがをされたら施設として困るのは分かるけれど、傷ついた」と唇をかんだ。

 「車いすの人が舞台に上がれるようホールの管理者に協力を頼んだら主催者側で用意してと言われた」「病院駐車場の発券位置を低くしてと要望したが返事さえない」「(2月に車いすで)運転免許証の更新に行ったらエレベーターがないため、暖房のない別室に案内された」-。

 県身体障害者福祉連合会の「障害者110番」には、16年度546件、17年度451件の相談があり、公的施設・機関に対する苦情も絶えない。

 一方で、障害者に配慮した改善もみられる。

 県内のある高校では、昨年度入学した弱視の生徒に授業中の単眼鏡使用を認め、チョークの色や書き方を工夫した。耳の不自由な有権者に配慮し、全ての投票所に筆談ボードなどの配備を検討している選管もある。

 車いすや補助犬同伴を理由に宿泊、利用を拒否したホテルや道の駅には、自治体が指導し、管理者が従業員に改善を指示した。県は4月、県共生社会条例を施行した。事務局の県障害福祉課は「法の理解が進んだとは言い難く、条例もできたばかり」とし、法律と条例の周知を図る。

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