2017年衆院選18・19歳と全年齢の投票率

 ■地方と大都市圏で違い

 これらの傾向は地方に共通しており、17年衆院選で富山県の19歳の投票率は18歳より21・44ポイント低かった。これに対し、東京都と神奈川県、大阪府は10ポイント差以内だった。

 昨年度の県市町選挙団体連合会研修会で、講師を務めた東京都選管職員は「住民票の登録問題が関係している可能性がある」と指摘した。住民票のある実家やその近くから大学や会社に通える大都市圏の若者は、不在者投票制度を利用しなくても、投票日や期日前投票で1票を投じやすい環境にあるというわけだ。

 16年参院選後の秋、県選管が県内の高校3年と大学・短大1、2年に行った調査によると、学生の約8割が「不在者投票制度は知っているが、投票方法は知らない」「制度も投票方法も知らない」と答えた。県選管はこの調査結果や実際の投票状況を踏まえ、市町や教育委員会など関係団体と不在者投票制度の啓発を充実させるとともに、全国組織の都道府県選管連合会を通し、手続き簡略化などを国に要請することにしている。

 ■政治への関心どう持続

 投票しやすい環境づくりとセットで、若者に政治への関心を持続させる取り組みも欠かせない。県内では主権者教育のほか、県明るい選挙推進協議会が小中高校に出向いて選挙の仕組みを分かりやすく伝える「出前塾」を開催している。地道な活動が17年衆院選で見られた高校3年の投票率の高さにつながったといえるが、高校卒業後には効果が薄れてしまう恐れもある。

 日本選挙学会元理事長で、日本大法学部の岩渕美克教授(政治学)は「政治は遠い世界の話ではなく、私たちの生活に密着している。主権者教育もさることながらメディアや政党、政治家にも若者に政治を身近に感じさせる努力が求められる」と強調する。その上で「保守や革新、リベラルと言われても、若者の多くはピンとこないだろう。投票所に継続して足を運ぶようにするには、高校までの主権者教育とリンクする形で、政治学の知識を気軽に学べる機会を地域などで確保することが重要だ」と指摘している。

関連記事