【越山若水】世間でおなじみの言葉に「ウマが合う」とか「ソリが合わない」という慣用句がある。社会的な生き物である人間にとって、それほどお互いの関係性は重要である▼しかし人と人の出会いには「縁」という偶然が伴う。さらに個々の性格の違いから好き嫌いも生じる。だから社会生活でも「相性」の善しあしは軽視できない▼実際に米国の戦略空軍は戦時中、相性をテーマに研究を行っていた。大型爆撃機B−29の機長以下、観測係や爆撃手、機銃手が心を合わせ戦果を高めるためである▼乗組員が誰とウマが合い、誰とソリが合わないかを意識調査し、人間関係図を作成した。その結果、相性がよければ任務を遂行する確率が高く、相性が悪いと敵機に撃墜されることが多かったという▼日本人には複雑な思いだが、狭い機内で乗組員チームが「あうんの呼吸」で行動することが成果を左右する。評論家、加藤秀俊さんが「社会学」(中公新書)に書いている▼サッカーのW杯ロシア大会開幕まで1週間を切った。日本代表は出場が決まってから一向に戦果が上がらない。ついに監督交代劇まで発生する始末だ▼となれば、お互いの相性が決め手になる。幸い、欧州合宿では選手の対話が増えたと聞く。ある意味でどん底からの挑戦。サムライブルーの誇りを胸に心は一つ。相性ぴったり、ウマが合うプレーを期待したい。

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