15年間敦賀市役所のロビーに盆栽を展示し続けている高崎三蔵さん=福井県敦賀市

 盆栽が趣味の高崎三蔵さん(86)=福井県敦賀市=は15年間、敦賀市役所1階のロビーに盆栽を飾り続けている。季節に合った2、3作品を週替わりで並べ、水やりはほぼ毎日欠かさない。高崎さんは「市役所を訪れる人に少しでも癒やしを提供できれば」と話している。

 高崎さんは毎週月曜の朝、自宅の庭に置いている約150個の盆栽から「季節を感じる花や実をつけたもの」などを2~3作品選び、市役所に運んでいる。火曜から金曜は水やりのためにほぼ毎日足を運び、金曜の夕方に作品を持ち帰っている。

 高崎さんが市役所に飾り始めたのは2004年。それまでは、ロビーで絵などが展示されていたという。愛好家でつくる敦賀盆栽会の代表だった高崎さんは、当時の市の総務課長から「ロビーに何か植物を置いてくれないか」と依頼され「作品を見てもらえる良い機会」と快諾した。

 ロビーの階段横のスペースに、長さ約2メートル、幅約40センチの長机を設置してもらい、同会のメンバーで交代で展示を始めた。半年ほどが経つと、水やりや作品の入れ替えが負担との声が上がり、いつしか高崎さんだけが展示を続けるようになった。

 体調が悪くて展示を休んだときは、知り合いから「今日はどうしたんや」と電話が掛かるという。知り合いの川久保忠興さん(74)=同市=は「無報酬で長年続けるなんて、なかなかできることではない」と話す。

 市立病院で交通整理員として働く高崎さん。「市役所で盆栽を見てきた。あれは何という花?」などと声を掛けられることが何よりうれしいという。「植物は心が安らぐ。喜んでくれる人がいるなら、体が続く限り続けていきたい」と話している。

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