関西電力は2日深夜、国内で唯一稼働中の大飯原発3、4号機(福井県おおい町、ともに加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)のうち、3号機の発電を停止して定期検査に入った。3日未明に原子炉を停止する。東京電力福島第1原発事故から1年4カ月後の昨年7月、3号機は停止している国内全原発の中で初めて起動し、関西圏の電力安定に一定の役割を果たした。15日には4号機も発電停止し、約1年2カ月ぶりに「稼働原発ゼロ」に戻る。

 3号機は2日午後4時45分ごろから発電機の出力を下げ始めた。53本ある制御棒の挿入やホウ酸水の濃度調整を行い、同11時ごろ発電機と送電系統を切り離し、発電を停止した。

 定検に合わせて原子力規制庁は保安検査を6日まで実施する。大飯事務所の保安検査官2人が、原子炉停止までの一連の操作が正しく行われているかを中央制御室で確認した。

 地元おおい町の時岡忍町長は役場で記者団の取材に応じ「大飯3号機は東日本大震災以降初めて稼働でき、厳しい暑さを乗り切れた。電力供給地として責任を果たせた」と振り返った。

 出力降下を前に鈴木副事業本部長は「大飯4号機も含め、今後も引き続き緊張感を持ち、安全を最優先に細心の注意を払って運転、保全していきたい」と記者団に述べた。

 福島事故を受け、定検に入り停止した国内の原発は再稼働できず、長期停止に陥った。県内では昨年2月20日、関電の高浜3号機が定検入りし、商業炉が13基体制になって以来、初めて全て停止。同5月5日には北海道電力泊3号機(北海道)が定検に入ったことで、国内の稼働原発がゼロになる異例の事態となった。

 政府は昨年4月、新たに策定した暫定的な安全基準に基づき大飯3、4号機の“安全宣言”を行い、福井県とおおい町に再稼働への協力を要請。同意を得て同7月に2基が順次起動し、夜間電力を活用した揚水発電による出力の上積みを加え、計400万キロワット程度の電力を確保した。

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