オセロの全日本大会の出場権をつかんだ黒田壱さん=5月29日、福井県立奥越特別支援学校

 福井県立奥越特別支援学校に通う黒田壱さん(高等部2年)=同県勝山市=が5月27日に石川県金沢市で開かれた第46回全日本オセロ選手権大会北陸ブロック予選で初優勝し、全日本大会(7月15日・埼玉県)の切符を手にした。筋ジストロフィー闘病中で思うように手が動かせないハンディをものともせず、一般の有段者を打ち負かした。黒田さんは「日本一になって世界選手権を目指したい」と意気込む。

 黒田さんは生まれつき筋力が低下し、体が自由に動かなくなる難病「筋ジストロフィー」にかかり、現在も車いすで授業を受けている。

 オセロとの出合いは中学2年のとき。父から教わり、簡単なルールながら奥深い戦略を必要する魅力にとりつかれた。

 毎日1時間以上、インターネットを通して愛好者らと対局し腕を磨き、負けた場合は解析ソフトで復習するなどしてメキメキ実力を付けた。

 北陸ブロック予選には中学3年から出場。今年の大会には小学生2人を含む12人が挑んだ。1級だった黒田さん以外、出場者はほとんどが有段者ばかり。腕が動かせないため父がそばに付き、石をボードに置く介助を受け対局に臨んだ。

 6人と対戦し、格上相手に軒並み2桁の石差をつける快進撃を続けた。一度も勝ったことがない有力者、吉田拓磨二段(富山)にも4石差で勝利し、6戦全勝で優勝を決めた。

 黒田さんは「普段以上に集中できた」と予選を振り返る。全日本大会にも自信を見せ、夢の世界選手権出場を見据える。

 体の自由が効かず家にいることが多かった生活はオセロで一変した。大会などで外出する機会が増え「人とのつながりがいっぱい持てた。好きなことができ生きがいを実感している」と笑顔で話す。将来は「オセロを広める活動に携われたら」と夢を広げている。

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