原発の新規制基準が8日施行されたのを受け、北海道、関西、四国、九州の4電力会社は同日午前、原子力規制委員会に対し、大飯3、4号機と高浜3、4号機(いずれも福井県)を含む5原発10基の再稼働に向けた安全審査を申請した。規制委は順次、安全審査に入るが、どの原発から審査するか順番は決まっていない。審査にかかる期間は「半年程度」との見方があるほか、審査を通過しても再稼働には地元同意が必要となる。

 東電の柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)は、泉田裕彦新潟県知事が強く反発しており、早期の申請が困難な状況。九電は12日に玄海原発3、4号機(佐賀県)も申請する方針。

  国内で唯一運転中の大飯原発3、4号機は、原子力規制委員会が「新基準に照らして現状を評価した結果、直ちに安全上重大な問題は生じるものではないと判断する」との報告書を了承し、運転継続を認めている。高浜原発には6月27日、装荷は未定なものの、プルサーマル発電に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料20体が搬入されている。

 6月に行われた関西電力の株主総会で八木誠社長は大飯3、4号機と高浜3、4号機の再稼働に向けた来月中の安全審査申請を念頭に「原発は新基準に確実に対応し、早期再稼働に全力を尽くす」との姿勢を示している。

 新基準は、これまで電力会社の自主的な取り組みに委ねられていた過酷事故対策を義務付けた。事故時に放射性物質を減らした上で排気して原子炉格納容器の圧力を下げる「フィルター付きベント設備」や、テロや自然災害に備えた緊急時制御室、十分な数の電源車や注水用ポンプの設置を盛り込んだ。

 8日に申請する10基は、福島第1原発とはタイプが異なる加圧水型原発で、ベントなど一部の設備は設置に5年間の猶予が認められている。

 地震対策では「地盤をずらす可能性がある断層(活断層)」の真上に原子炉建屋などの重要施設を造ることを認めず、考慮する断層の年代は、これまでの「13万~12万年前以降」から「最大40万年前までさかのぼる」とした。原発ごとに想定する最大規模の「基準津波」を設定。防潮堤の設置などを求めた。

 審査では原子力規制庁の約80人が中心となる。審査の順番や要する期間は「申請の内容次第」(田中委員長)と不透明だが、審査には半年程度はかかるとみられる。

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