【越山若水】残念ながら福井県は空白地だが、サッカーJリーグはJ1〜J3の計54クラブが38都道府県で活動している。1993年に開幕し、ことし5月に25周年を迎えた▼現在の第5代チェアマン、村井満さんの話を聞く機会があった。プロ選手や監督の経験がない異色リーダー。代わりに、元リクルート執行役員などとして身に付けた経営感覚でリーグを引っ張る▼年間総入場者は1千万人を超えているが村井さんは満足していない。1人の来場回数が10回ほどなので、スタジアムに来るファンの実数は約100万人と、人口の1%程度にすぎない計算なのだ▼地域密着などを目的に展開しているホームタウン活動も、各クラブ合計で年間約1万8千回もの実績があり既に限界。そこで村井さんは、25周年のキーコンセプトに「Jリーグを使おう!」を掲げる▼例えば、障害者が試合運営に携わることで就業につなげている団体がある。タブレット端末で遠隔操作するロボットを入院患者の観戦に生かしている人たちも▼いずれも、Jリーグから持ちかけたのではなく、外部からのアイデア。「Jリーグを使って何ができるか皆さんに考えてほしい」と村井さん▼スポーツを住民活動の場に活用する考えは、サッカーに限らずいろんな競技で参考にできそう。「目指すのは豊かさの提供です」。そう話す村井さんは楽しそうだった。

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