人工巣塔の巣で本格的な抱卵に入っていたとみられるコウノトリ=5月28日、福井県越前市大塩町

 福井県越前市は6月2日、同市大塩町の人工巣塔に営巣したコウノトリのペアの卵1個が、カラスに割られたと推定されると発表した。4日に兵庫県立コウノトリの郷公園に殻を送り、コウノトリの卵か調べる。

 2日午前11時ごろ、地元区長らが巣を観察していたところ、コウノトリが巣にいない間にカラスが卵のような白いものを持ち去った。10分ほど後にまた巣に入り、2個目を運んでいったという。区長から連絡を受けた市職員が現場周辺を確認し、巣塔近くの畑でコウノトリの卵とみられる割れた卵1個を見つけた。もう1個の行方は分かっていない。

 区長は「カラスがいなくなった後、親鳥が巣に戻ってきて伏せたが、卵がないと異変を感じたのかすぐ立ち上がってしまった。これがきっかけでペアが大塩町を離れてしまったら悲しい」と心配そうに話した。

 市によると、午後2時ごろに職員が巣を観察した際には、親鳥が伏せている姿は確認できなかった。ペアが生んだ卵の個数は不明だが、郷公園に問い合わせたところ「雄雌どちらも巣に伏せていないのは、卵が巣にない可能性が高い」と回答があったという。

 親鳥はともに兵庫県豊岡市生まれの3歳の雄と5歳の雌のペア。4月下旬に巣作りする姿が見られ、5月中旬に産卵したとみられる。有精卵であれば6月10日以降にふ化する見通しだった。福井県内の自然下でコウノトリが産卵しひなが確認されたのは1964年の小浜市国富地区が最後となっている。

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