福井銀行の各部署に掲示されているセクハラ防止を呼び掛けるポスター=福井県福井市の福銀センタービル

 公務員や政治家らのセクハラが問題となる中、パワハラなどを含めたハラスメントへの対策は職場での重要な課題となっている。まずは発生させない、起きた場合は適切に対処することが何より大切だが、よりよい職場づくりに向け福井県内の企業はどう対応しているのか。女性が多く働く企業の取り組みを取材した。

 約2千人の行員のうち半数以上が女性という福井銀行(福井市)は、各種ハラスメントを就業規則の禁止事項に明記。各部署にはセクハラを含めたハラスメントの抑止を啓発するポスターを掲示し、視覚的にも意識付けを徹底する。実態の把握に向けては、コンプライアンス(法令遵守)や働き方に関する定期的な行員アンケートに、ハラスメントの設問を加えている。

 何かあった場合に備え、行員から相談しやすい環境づくりも進める。行内に開設したハラスメント専用窓口のほか、顧問弁護士に相談することもでき、それぞれの直通電話番号を全行員が携帯している。本部コンプライアンス統括チームの米村宜将リーダーは「ハラスメントは早期の発見、対処が重要だ。プライバシーに配慮し、安心して相談できる体制を整えている」と力説する。

 県民生協(福井市)は職員数が約950人で、約75%を女性が占める。働きやすい職場づくりの一環として年1回、全ての役員と所属長を対象にハラスメント学習会を実施している。時期は例年2月ごろで、新任の所属長にとってはちょうど配属のタイミングとなり、意識をしっかり高めて着任してもらう。

 職員の困りごとに何でも相談に乗る「労務相談員」を各事業所に置く取り組みも、10年以上前から続けている。本部のほかスーパー、福祉施設など事業所ごとに1人の職員を任命し、1年交代で務めてもらう。現在は33人体制だ。相談内容は「壊れた施設を修繕してほしい」といった案件が多いが、情報は全て本部に集約される。

 人財教育グループの小林文課長は学習会について「職場でハラスメントを発生させないことが最大の狙い。そのため所属長に目配り、気配りをしてもらう」と説明する。労務相談員は普段から身近にいて、所属長に言いにくい内容も話しやすい存在だ。ハラスメントがあった場合には「声を出せる場所があることが大事」(小林課長)と、風通しの良い職場を目指す。

 ■ハラスメントの防止措置 事業主は職場でのセクハラ、妊娠や出産を理由に不当な扱いを受けるマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止措置を講じることが、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法で義務づけられている。セクハラ、マタハラの禁止を就業規則など文書で規定し、社内に相談窓口を設置して周知することが必要。相談が寄せられた場合は事実関係を確認し、行為者に適正な措置を行い、再発防止策も講じなければならない。パワハラは今のところ法律による規定はないものの、同様の対策が望まれている。

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