橋本左内から何を学ぶかについて話し合ったパネル討論=5月27日、福井県福井市のハピリンホール

 橋本左内の160回忌と明治維新150年にちなんだシンポジウム「橋本左内と明治維新」(福井新聞社後援)が5月27日、福井県福井市のハピリンホールで開かれた。基調講演では東京大の三谷博名誉教授が「左内は身分を問わず実力ある人をしかるべき地位につけ、日本を西洋によるグローバル化の中で生き延びさせようと考えた。その革新的な国家構想は明治維新の出発点になっている」と語り、幕末志士の先駆けともいえる功績を強調した。

 藤島高卒業生でつくる「SANAIプロジェクト」と、歴史研究グループ「福井あすわ歴史道場」が共催し、約300人が聴講した。

 講演に立った三谷名誉教授は、1857(安政4)年時点で左内が世界情勢を見通し、開国に伴うべき外交政策を記した村田氏寿宛ての手紙を紹介。これらを実現するために、大名領国制のまま福井藩の松平春嶽、鹿児島藩の島津斉彬ら優秀な大大名を政権の中枢に据え、その補佐に全国から優秀な藩士や庶民を抜てきする政治改革を唱えた先見に触れ「この構想は明治政府の統治機構を定めた『政体』に生かされた。左内は志半ばで倒れて名は忘れられたが、構想は継承されて全国に流布し、勝海舟を通じて坂本龍馬に伝わった」と力説した。

 三谷名誉教授を交えたパネル討論は「橋本左内先生から今何を学ぶか」をテーマに展開。福井市立郷土歴史博物館の角鹿尚計館長は「自分のことではなく、天下国家や社会に役立つ志を持つことが、左内先生を我々の中に生かすこと」と語り、福井あすわ歴史道場の松下敬一会長は「26歳で亡くなった後も左内先生は生き続けている。素晴らしい思想を全国に発信し、子供たちに伝えていかなければならない」と呼び掛けた。

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