自殺願望者に共同生活を送ってもらう部屋=5月24日、福井県福井市浅水町の月泉寺

 自殺を考えている人に、共同生活を通じて考え直すきっかけをつかんでもらう防止活動などに取り組むNPO法人「らいおんの泉」が発足し、福井県福井市浅水町の月泉寺で活動を始めた。メンバーは「『生きてさえいればいい』を合言葉に、生きる気力を取り戻す支援ができれば」と話している。

 本堂では、絵画や工作教室、ヨガ、ダンス、英会話といったさまざまな地域活性事業も展開して地域住民が集う場とする。共同生活中の人も気が向けば参加してもらうなど、地域の人とふれあう機会にしていく。

 同法人幹事で、月泉寺執事(管理人)の小川喜正さん(59)は2年前、東尋坊のパトロールで出会った自殺願望者の関東地方の女性を約10カ月間、寺に住まわせた。最初3カ月は寝たきりだったが、医師の指導を受けたり、支援者が作る食事を食べたりして少しずつ前向きに。大本山永平寺や越前海岸といった福井の名所を巡るうちに女性は「生きたくない、という考えが薄らいだ」と寺での共同生活を“卒業”していった。正月には年賀状を送ってきたという。

 そうした経験を踏まえ、今年2月にNPO法人を設立した。自殺防止事業の共同生活には寺の2階にある14畳間をフローリングに改修した部屋などを活用し、3~4人を受け入れていくという。同法人では国際交流や地域活性化事業も展開していく。

 入居希望や問い合わせ、相談は平日午前11時~午後5時に月泉寺=電話0776(38)1252。
 

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