【越山若水】ある会合で隣り合った九州の男性が、福井への旅を趣味にしているという。ほぼ毎年訪れるとか▼目的ははっきりしていて、福井の地酒である。初めて旅行先に選んだ理由こそたまたまだったようだが、そのとき味わった地酒が男性をとりこにした。今ではすっかり、リピーターになった▼どの銘柄がお好みか聞いてみたら、福井市周辺から奥越、嶺南まで、あらゆる地酒にチェックが行き届いていて驚いた。福井人に交ざって話をしても詳しい方に入りそうだった▼福井に来るときは1人で、家族も置いてくる。「周りには、日本酒派とは言ってないんだよ。九州人はやはり焼酎じゃないと、という空気があるから」。誰にも気兼ねせず地酒と料理を楽しむのが、彼の最高のぜいたくだ▼トータル飲料コンサルタント、友田晶子さんの「日本酒の教本」によると、地酒の味を決める要因は水と気候、それに郷土料理という。福井の場合だと、海の幸に合う淡麗系の酒が多くなる▼九州にもいい日本酒はあると思うが、男性は福井の酒と食がぴったりだったのだろう。取り寄せでなく、福井までやって来なければ意味がないことになる▼東大・五月祭で、福井出身の学生たちが地酒やソースカツをアピールした。みな福井が大好きな若者で、今後も各大学祭で活動予定だ。男性のような福井ファンをどんどん獲得してほしい。

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