福井県敦賀市役所

 東芝エネルギーシステムズ(本社神奈川県川崎市)が福井県敦賀市内で、再生可能エネルギーを使った水素製造装置と水素ステーションを組み合わせた新たなシステムの実証実験を行うことが5月24日分かった。日本海側初の広域的な水素産業の拠点を目指す同市が同日、補助金事業に採択した。実用化すれば、低コストで燃料電池車に水素をフル充てんできるようになるという。

 同市は周辺5市町との広域経済圏を目指す「ハーモニアスポリス構想」の一環として本年度、民間が市内で行う新技術の研究開発に対して1億円を上限に助成する事業を創設。外部有識者を含めた審査委員会で、東芝エネルギーシステムズを含めた2社の3事業を採択した。

 同社は自立型水素エネルギー供給装置「H2One」を市販化している。太陽光で発電した電気を使って水を水素に変換してタンクに蓄え、災害時などに燃料電池により電力供給できるシステムだが、実証実験では併設する水素ステーションに水素を供給する。

 全国に設置されている水素ステーションの水素は、液化したり圧縮したりして車両で運搬される場合が多く、輸送費や水素自体の費用が高額な点が課題となっている。実証実験のシステムは、太陽光を利用して水素をつくるため低コスト化が図れるという。

 本年度は設計を行い、来年度以降に市内にシステムを設置して実験を始めるとみられる。同社は、日照条件が厳しい日本海側での太陽光発電のデータと水素製造量を調べ、実用化へ研究を進める。

 同市は水素関連産業や活用社会の拠点化を目指し、本年度中に実施計画を策定する方針。4月に水素の燃料電池バスを県内で初めて試験運行させるなど、関連事業を展開している。

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