新幹線駅の整備が進むJR敦賀駅周辺。敦賀以西の建設財源は検討がまだ進んでいない=5月3日、福井県敦賀市

 福井県幹部はいらだちを隠さない。「いまだに何の音沙汰もないんや」。2017年3月、北陸新幹線敦賀以西ルートが新大阪まで全て決定した。当時、与党整備新幹線整備促進プロジェクトチーム(PT)座長だった茂木敏充経済再生担当相は建設財源の議論を「遅滞なく進めたい」と約束した。それにもかかわらず、与党PT会合は1年以上開かれていない。議論の本格化は、9月に予定されている自民党総裁選の後との見方さえある。

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 政府、与党の腰が重い中、思わぬ所から北陸新幹線に援軍が現れた。「敦賀―新大阪間の早期着工と開業を国、JRに働き掛ける」。これは2月に松江市で開かれた「山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議」で採択された決議だ。構成52市町村の大半は山陰の自治体なのに、なぜ北陸新幹線の整備促進なのか。

 その理由について石破茂自民党元幹事長(鳥取1区)は5月7日の福井県庁での講演後「(整備新幹線の)北陸新幹線が終わらないと次(の基本計画路線)にいかない」と述べた。石破氏が加わる「山陰新幹線を実現する国会議員の会」は、最高顧問の安倍晋三首相(山口4区)を筆頭に竹下亘自民総務会長(島根2区)、細田博之自民元幹事長(島根1区)らが名を連ねるだけに、県関係者からは加勢を歓迎する声が聞かれる。

 山陰新幹線と同じ基本計画路線の四国新幹線沿線の自民国会議員も動き出した。両新幹線沿線の議員が中心となり4月下旬、整備新幹線の予算増額を探るチームを発足した。関係者は「敦賀以西の財源の枠組みを検討するわけではない」としつつ「増額が実現すれば、敦賀以西やその後の基本計画路線へ充当する予算も生まれる」と意気込む。

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